昨日から夫が一週間日本出張へ出かけてしまい、しばらく母子ふたりの生活です。
一緒に帰国しようと思ったのですが、今月末から一ヶ月くらい帰国するので、今回は頑張って留守番することにしました。
お風呂とか一人で入れるのはなかなか大変なのですが、頑張って一週間乗り切ろうと思います。

さて、今日は読書のお話です。
ちょっと前になりますが、田辺聖子三部作「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」を読みました。

元々30年前(!)に発表された作品の復刻版で、雑誌等のレビューに載っていたのが気になって買ってみたんですが、すごく面白かったです。
ある女性の恋愛物語、独身生活、結婚生活、再びシングル生活に戻る姿を描いています。30年前に発表されたと思えない、女性の奔放な生活、そして精神がとても素敵だと思いました。そして、舞台が大阪、神戸、御影など阪神を中心に展開されているのも、大阪に住んでいた者にとって臨場感が沸きます。

作中、登場人物たちは関西弁をしゃべっているのですが、これが何ともリアルな感じで良いのです。
そして思ったのが、出てくる男性たちの描写が、またリアルで、つまりイケメン過ぎず、普通に出会いそうな感じの人たちだなということ。逆にドラマ化、映画化して美形過ぎる俳優さんが演じてしまうと、急に現実味がなくなってしまうなぁと勝手に思ったりしました。
(いつも小説を読むと、この役は誰が演じるのが良いか、など妄想するのがすきなのですが、この作品もそれぞれ何となく俳優さんや知り合い(!)を当てはめて読んでいました。結構そういう方多いのではと思いますがどうでしょう?)
すごいお金持ちのお坊ちゃんも出てきますので、そういう人には日常会わないかも知れませんが、容姿、性格などは、「いるいる!こういう人!」という感じ。

私は田辺聖子さんの作品は、これまで古典の現代語訳のものを数冊、専ら高校、大学受験の古文対策のために読んだことがあるくらい(受験対策と言うよりも面白いので好きで読んでいましたが)で、現代恋愛小説は読んだことがありませんでした。
田辺さんは昭和3年生まれ、考えてみると、自分の祖母たちと二歳しか違わないのです。ですから、現代小説を読んでも時代が違いすぎて、ピンと来ないのでは?と勝手に思い込んで読まずにおりました。
ああ、読まずにいた時間がもったいない!
ほんとに、男女の物語はいつの時代も変わらないものなんですね~。古典文学を読んだり、文楽の心中モノを観たりした時も同じことを感じたのですから、当然といえば当然なのですが。

それから、いつも思うのが、これほどみずみずしい恋愛小説を書けるなら、よほど経験が豊富なのだろうか?それとも、人並み外れた想像力をもって書いているのか?ということ。
小説家の方々はどちらの人が多いのかなぁ?

私も、生涯に一度でよいから、こんな恋愛をしてみたい…のではなく!!、こんな素晴らしい小説を書いてみたいな、などと、素敵な作品に出会う度に妄想したりするのですがにひひ
もし書いたら、周りの人はどう思うだろう?私生活の暴露になりやしないか?などと、一行も書けていない癖にそういう心配をしてしまったりするのです。(ブログアップするのでも色々心配するくらいにひひ)小説家の皆さんはそういうことはどう対処しているのかしら?そういう次元で心配するような人はつまりは小説家にはならないのかしら?
私の長年の変な疑問であります。

こちらの三部作、装丁も素敵ですよね。また他の田辺作品も読んでみたくなりました。

言い寄る (講談社文庫)/田辺 聖子

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私的生活 (講談社文庫)/田辺 聖子

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苺をつぶしながら (講談社文庫)/田辺 聖子

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