富士山が真後ろにみえる場所に建てられております。
朝だけに空気も澄んでおりました。
沼津市の門池というため池には
龍の伝説がある場所でもあります。
私が、ごくたまに伺う神社です。

安政島(弁天社・厳島神社)
小さなお社もお正月を迎えてキレイになっておりました。
こちらの神社は白龍な感じがしました。
なんの根拠もありませんが・・・
昔からの土地にまつわる伝説って楽しいですね。
龍伝説
むかし、むかし。天に、大変仲の良いおすの龍とめすの龍が、帝釈天様の召使いとして住んで いました。ふたりは、きょう夫婦になったばかりでした。ふたりは、ぽかぽかと暖かい春の日ざ しを受けて、楽しそうに天上のお花畑を歩いていました。仲良く歩きながらときどき立ち止まっ て、夫の龍の手の中をのぞきこんでは、顔を見合わせ、うれしそうに笑い合っていました。ほん とうに楽しそうです。夫の龍は、跳んだりはねたりしながらも、右手には、しっかり大事なもの をかかえていました。「大事なもの」とは一体なんでしょう。それは、きらきらと七色にかがや く美しい玉でした。このすばらしい玉は、ふたりの結婚のお祝いに帝釈天様がくださった物です。 「わたしは、こんな美しい玉を、今までに一度もみたことがありません。」「わたしもそうだ。 この玉は美しいばかりでなく、雲をわかせたり、さらには、雨を降らせたりすることのできる不 思議な宝だというんだ。大事にして一生わたしたちの宝物にしよう。」
ところが、とんでもないことが起こりました。妻の龍は、美しい玉を持たせてもらったのです が、足もとの石につまずいてよろめいてしまいました。玉は手のひらからすべり雲のすき間から 下界に転げ落ちてしまいました。玉は、山へ落ちてきらきらと輝きながら木々の間を転がってい
きます。ドボンとしぶきをあげて大きな門池に沈んでしまいました。妻の龍は、「わたしが悪い のです。あの池に下りて探してきます。」と言って下界へ下りて行きました。広い池の中で、小 さな玉を探し当てることは容易ではありません。どうしたことか、玉はどこにも見あたりません。
どれほどの年月がたったのでしょう。わたしは、もうあの天上にはもどれないのでしょうか。 涙がこぼれてきます。天上では、夫の龍は、くる日もくる日も下りたきり帰ってこない妻の龍の ことが心配で下界をのぞいていました。門池の近くに、大きな大きな松の木が一本天に向かって そびえ立っていました。夫の龍は、松の木のてっぺんまで下りてきました。一緒に探したいので すが、地上へ下りると妻の龍と同じように天上へもどることができなくなってしまいます。悲し そうに松を見上げる妻の龍はすっかりやつれていました。「なんとかして、玉を見つけて天上へ 帰ってくれ。私の所へもどってくれ。」と懇願しました。こうして、妻の龍はまた池の中をくま なく探す日々が続きました。
あわれに思われた帝釈天様は、「あれからちょうど、来年が千年目に当たる。千年目の玉を落 としたのと同じ日に、下界の山や池がはっきり見える日がある。そのときに、あの玉はピカッと 光る。しかも下界からお経を唱える声が聞こえてくるからよくわかるじゃろう。そのとき、玉を 見つけ出し、手にのせて、雲をわかせ、雨をふらせて、一気に天にのぼるのだ。」と夫の龍に話 ました。夫の龍は、池の近くの松の木へ急ぎました。木の枝から身をのり出して、妻の龍に帝釈 天様から教わったことを大声で話しました。
いよいよ玉を落としたその日がきました。ピカッ。池の真ん中あたりがまぶしく光りました。 「ああ、あった。わたしが千年探し求めた大事な玉が見つかった。」玉は、あのときと同じよう に七色の美しい光をはなっていました。「あなた、玉が見つかりました。今すぐにこの玉で雲を 呼び雨を降らせます。そして天にもどります。待っていてください。」夫の龍は、喜びで胸がい っぱいになり言葉もでません。妻の龍は、手を合わせて玉にお祈りしました。するとどうでしょ う。空はにわかに曇り、みるみるうちに黒雲がわき出て「ザザー、ザーザー」と大つぶの雨が降 り始めました。妻の龍は、この滝のように降る雨にするすると身をのせると、夫の龍と一緒に連 れ立って天へのぼっていきました。ふたりは、天の世界で、いつまでも仲良く楽しく暮らしたと いうことです。