翌日、いつもよりも早く家をでて、始業の30分前には櫻井の家に着いた。

ところがインターフォンを鳴らしてもなんの反応もない。

 

「・・・これって、上がっていいんだよね・・・」

 

 

 

おとといから預かったままのカードキーを取り出し、エントランスを抜けて部屋へと向かう。

玄関前のインターフォンも鳴らしてみたがやはり反応がない。

仕方なく扉をあけてリビングに入ってみると・・・

 

「なんでだよ・・・」

 

昨日の朝、綺麗に片付けたシンクにはカップとグラスが置きっぱなし。

調理台の上にも、チーズのフィルムを外したのが分かるような残骸が残っている。

ソファ脇のローテーブルには皿が置いたまま。

床には新たに書類が数枚散らばっている。

 

ああ、もう!

 

見てしまった以上性格的にほったらかしにできず、ごみをゴミ箱に捨て、皿を回収し、カップとグラスと一緒に洗うとシンクをざっと洗い食器類を布巾の上に伏せた。

それから持ってきた弁当を冷蔵庫に入れて急いで部屋を出る。

 

・・・余裕をもって会社に着きたかったのにギリギリじゃん!

 

 

 

会社まで激近とはいえ、急いで会社まで走った。

 

 

 

 

イベントバナー