「え?これ、お前の手作り?!」

「え?はい、そうですが・・・」

「お~~。うまそ~~~」

 

 

 

櫻井が風呂に入っている間に朝食の支度をしておいた。

病み上がりだろうからできるだけ胃に負担がかからず、それでも栄養の摂れるものを。

昨夜から仕込んでおいたフレンチトーストは自分でも納得がいく、とてもおいしそうな焼き目がついたものが出来上がったし、ニンジンとほうれん草を中心に持ち込んだミキサーで作った野菜ジュースと、玉ねぎのポタージュスープ、サラダをテーブルに並べた。

 

「寝込んでたから食べられるだけ食べてくださいね。

残ってもぼく、もって帰りますから。って聞いてないですね?」

「んん?」

 

おれが心配して声をかけたのに、櫻井は目いっぱい口の中に食べ物をほおばってもぐもぐと咀嚼している。

ぱんぱんに膨らんだ頬と、ぱちくりとさせた目が、まるでリスのようだ。

 

「ぷ。くははは」

「え?何?」

 

思わず笑ってしまったおれに、不思議そうに首をかしげる櫻井。

すると余計にリスを彷彿していまい、笑いをこらえることができなかった。

 


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