コンコンコン
「櫻井課長?」
昨夜自分が使わせてもらった風呂場を丁寧に洗い、カーテンレールにかけておいた自分のスーツを着る。
かろうじて洗濯に必要なものはそろっていたので自分の下着類は拝借したビニール袋に入れ、バスタオルや課長の服などを洗った。
(選択干しに必要なハンガー類は見当たらなかったのとドラム式洗濯機だったので、乾燥までセットした)
ノックをしても一向に返事はない。
「・・・しつれーしまーす」
まだ眠っているかもしれないので少し声を抑え気味にかけて寝室へと入った。
窓際のカーテンは半分だけ遮光カーテンが開かれているため、室内を見渡すのに支障はなかった。