クローゼットを開けてみるとここも何やら乱雑にものが詰め込んである。

自分の家なら考えられない、と思ってしまったがここは見えないふりをして新品の下着やらTシャツなどをゲットし身に着けた。

 

着替えた後、ひとまずリビングへと戻ってみたものの、他人の家での居場所は限りなく少ない。

先ほど見かけたペットボトルをゴミ袋にまとめ、部屋の隅の新聞は、昨日と今日の分を残してみつけたビニールひもで縛りあげた。

 

「ああ、悪い悪い。ソファーに座って待っててくれてよかったのに」

 

櫻井課長が風呂をあがってリビングへ入ってきたのだが、上半身裸、下半身にバスタオルを巻き付けているだけだ。

 

「か、かちょー////」

「え?ああ、別にいいだろ?おとこどーしなんだし」

「///あ、はぁ。ソウデスネ・・・」

「・・・それとも。アノ夜を思い出す、って?」

「//////ヤメテ、クダサイ・・・」

 

 

 

やっぱり、あの時のショオさんは櫻井課長で。会社ではそんなそぶりを見せないのに二人だけになったら低音ボイスを耳元で囁いてくる。

 

「はは。そんなにおびえるなよ。お前、俺の部下だろ?もう手なんて出さないよ」

「そうしてください」

「前にも言ったように、上にあがるためにオンナと結婚するつもりだし」

「はい、聞いています」