俺と櫻井課長とで課のデスクの確認を済ませ、他の課の人たちの分も手伝いようやく作業を終えた。

急いで作業し、非常用扉(玄関は停電のため出入りができなくなっており、手動で開けられる非常扉で外に出ることになった)から出てみれば、さらに強くなった風雨が時間の経過を物語っている。

 

「松本!」

「はい!」

 

割と大きな声を出さないと、互いの声も聞こえない。

 

「お前確か、○○線だったな!」

「そうです!」

「確かこの停電で運転中止になってるぞ!」

「ええ?!」

 

マジか・・・・こんなことなら、仕事をほっぽり出しても早く帰ればよかった・・・

こうなったら駅で何時間ぐらい待てば運転再開するだろ・・・

まあ、最悪、明日から休みだからどっか漫画喫茶かカラオケでも入って時間つぶすか・・・

 

「オレの家、近くだから!お前、こい!」

「え、あ、えっと」

「こい!」

 

すこし強引に腕をとられ、大雨の中俺は、櫻井課長の後を必死になって走った。