「脱衣所もないから、着替えはココに置くから」

 

バスルームの扉の前に置かれたショウのチノパンとシャツを着た。

 

 

 

「ジュンさん、出た?

散らかってるけどこっちで待ってて。

オレもシャワー浴びるから」

 

座れるようにとベッドの上が多少片付けられ、そこに行くまでの動線が一応確保されている。が、備え付け本棚にはぎゅうぎゅうに本が詰められ、机の上には資料や書類が無造作に積み上げられている。

洗濯物は、ランドリーで乾かしたものをひとまとめにして放置したものがベッドの隅に追いやられていた。

 

(んはは)

 

ちょっとだけ心の中で笑って、洗濯物をたたむ。

片づけは苦手だと言っていた。

そしてこの状況。

よかった、彼の世話を焼くものは誰一人としていないんだ。

 

 

 

「ええ?ジュンさん、何笑ってるの?」

「わ、笑ってなんかない!」

 

バスルームから出てきたショウに指摘されるまで、どうやら俺はニヤニヤしていたらしい