ショウがゆっくり話をしたいといったので、俺は素直に受け入れた。
だけど、目をみて話を聞くことはとてもできそうになかったから、ソファーに横並びで座った。
「岡山はね、医療水準が高くて最新の医療技術が学べる病院があるんだ」
「そっか・・・」
「東京も、いいんだけど。
競争倍率が高くて。
親が金を積んで大学病院にもぐりこむ奴らもいるんだけど、オレはそーゆーことできないから」
「うん」
「そこへ行け、って言われたら、はいって言うしかないんだ」
「うん、そうだね・・・」
ショウの言い分は何も間違っていない。
理由も正当なものだし、ショウが抗いようもない現実なのだ。
だけど、
「俺と、離れたいって、そう思ってる?」