うっかりとしょおくんの目を見てしまった。
・・・・・・俺を見つめるその目は、真剣そのものだ。
「俺さ。
やっぱり、お前に会いたい。お前と一緒にいたい」
その言葉は、俺を甘くしびれさせ、いばらの道へと誘う。
そこから逃れようと、過去にも何度か離れようとしたけれど。
蔓はどこまでも追いかけてきて俺を傷つける。
「も、う。何言ってんだか」
・・・・・・違う。
最後まで逃れようとしなかったのは俺だ。
棘が、体を、心を傷つけるたび、「愛されている」実感が沸くから。
「ね、またこんな風に会って、飲むだけでもよくない?。
そのうち『嵐』も動き出すかもしれないし」
一見やんわりと断るようなそぶりで、
一生抜け出せない罠を仕掛ける。
「今から、お前んち。
行っていい?」