二人でご飯を食べた後、もう二本電車を乗り換えて最寄りの駅についた。
時間が遅かったせいか、りんちゃんは半分眠りかけている。
バスに乗ることも考えたが、バス停からマンションまでの距離を考えて、あえてタクシーにした。
「〇〇町の交差点の近くのコンビニまで。
近くなったらまた詳しく言います」
電車の中からりんちゃんを抱っこしていたから、腕が半分痺れたような状態になっている。
東京の人は冷たい、と感じた。
ボクがりんちゃんを抱っこしていても、誰も席を譲ろうとしない。
見て見ぬふりをしている。
でも、これからはボクが育てていかないと。
「お客さーん、もうすぐコンビニですけど」
「あ、すいません。
じゃあ、次の辻を右に曲がって・・・」
自分一人でタクシーに乗ったことはない。
最近では翔くんと一緒の時だけだ。
そういえば、まだ翔くんにりんちゃんのこと話してないや。
自分の部屋に上がるのに、りんちゃんを抱え直す。
チューリップの入ったビニール袋も忘れずにもった。
部屋の電気は真っ暗だった。
そうだよな、締め切り前だし、もうすぐパリに3ヶ月出張だと言っていたらか
今は仕事を詰めまくるってるんだろうな。
ひとまずりんちゃんをトイレに行かせると、ベッドに寝かせた。
オレも、なんだか疲れてしまって、風呂にも入らずりんちゃんの隣で眠ってしまった。
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やっと、翔くんの名前が出てきました〜。
でも、登場はまだ先。