「自分の部屋、ある?」
「や、もう。オヤジにとられちゃって 笑」
「あ、俺も」
MVの撮影の合間に、翔くんと相葉くんが話していた『自分の部屋事情』
沢山のCDがあって、服とか物とか、いっぱい散らかっていた翔くんのあの部屋は。
はじめ、翔くんに抱きしめられて、キスをされた、あの部屋。
何度もあのベッドの上で、声を 圧し殺して 繋がっ た部屋。
「あの部屋、もうないんだ」
撮影の合間、翔くんと二人だけになった時にそっと聞いてみた。
「ああ。もうない」
ちょっとだけこっちを見てから、口元が少し動いて、左手で頭をポンポンと撫でてくれた。
「じゃあ、部屋片付いてるんだ」
「いや〜。それが散らかっててさぁ。
・・・遺伝みたいよ?」
はははは、と声高らかに翔くんが笑う。
あの部屋がなくなっても。
過去は変えられない。
時が流れたけれど。
変わらない感情。
それ以上にもっと強くなっている。
「・・・な、今日いい?」