つい、図書館で目に留まって、養老孟司さんの『バカなおとなにならない脳』という本を借りてきてしまった。
かなり面白い。
メールで寄せられた子どもたちの質問に養老さんが答えたものを本にしてあるんだけど、ちょっと眺め読みするつもりが、どっぷり読み込んでしまいます。
そんな中で、「寝ないとバカになる?」っていう内容の質問に答えてた内容が、とっても印象的だった。
養老さんいわく、
「意識の働きというのは、秩序だった働きなんです。」
「ところがこの、規則性があるということ、つまり秩序的な働きっていうのは、かならずエントロピー、つまり無秩序、簡単に言うと『ゴミ』を出すものなんです。」
「起きているってことは、意識活動つまり秩序活動をずっとしている、ってことだから、脳にかならずゴミがたまるわけです。で、ゴミだらけのままだと秩序活動ができなくなります。だから『眠る』というのは、そのゴミをかたづける、ということなんですよ。」
「眠っているのって、休んでることだ、とみんな思っているでしょう。これは、ちがうんですね。つまり、眠っている時間は、起きてるあいだにできたマイナスを回復する、つまり脳が脳の中のゴミをかたづけている時間なんだ。そうじの時間なんです。」
なぁ~るほど!!
すごくわかりやすい!!!
私、過去にものすごく眠れなかったことがあって、眠ると悪夢を見てしまうから、怖くて眠れなかったのです。
だから、夜眠らなくてもいいように、深夜バイトしてた(ある意味タフだったなぁ)。昼眠るなら、怖くなかったんですね。
……とはいえ、うまく夜眠れなかった頃は、いろんな意味で、とても不自然な生活だった。
ってところで、今。
相変わらずとっても「活躍してる」(「忙しい」のではなく、ね)ので、あれもしなきゃ、これもしたい、あれはどうなってたっけ、何か取りこぼしはないかしら、って、いつの間にか意識がフル回転してた。
ネガティブなことなんか起こってなくても、
むしろ、人から褒められたり感謝されたりするようなことが多くても、
そして、自分としても良いものが生み出せていたりしても、
なんだかあっぷあっぷしてたんですね。
なんでだ~
このわけのわかんない浮き足立った感じはなんなんだ~
どうしたら、何をしたら落ち着くんだ~
と思っていたのです。
「思って」いたのです。
バカだね。
意識の使いすぎでした(笑)
効率よく、良いものを、うまいこと、少しでも多く、
ポジティブに、
……っていう発想ばかりしてること自体に、限界があるんだよなぁ。
なぜ気づいたかって、
あまりにも煮詰まってきたので、カードを引いたのです。今日は、「アース・マジック」のカード。
出たのは、
「砂漠(ヴィジョン・クエスト)」。
パワフルなカードです。
答えと出会いに、自然の中に行きなさい。
ひとりで行きなさい。
完全にひとりで自然の中に身を置いて、祈り、瞑想しなさい。
あー……はい。
わかりました、行きます。
一瞬抵抗を感じたのは、
行くべき場所はすぐにわかって、でも、そこはちょっと遠いし、
自分のためだけに行くなんて、日常の家事や仕事がいくらでもあるのに、そんな中わざわざ時間かけて行くか?
って思ったんだ。
だけどね。
もし、素晴らしい賢者に会って個人的に話ができるとしたら、多少遠くたってお金がかかったって行くでしょう?
人になら価値を感じるのに、
人以外には価値を感じない?
いつの間にそうなったんだろう。
自然界は偉大な師で友で助言者なのに。
うわー。いつの間にか、そこまで、離れていたんだなぁ。
……って気づいていく中で、
すっと、意識状態も変わってた。
よりシンプルに。
「無心」に近く。
そうだ。明日、行こう。
もうぐちゃぐちゃ考えるのはやめよう。
「効率」は、明日はお預けだ。
と決めたら、にわかに、すべてのことがストレスなく、楽しくなった。
夕飯の準備も淡々と楽しい。
ついでにデザートに、最近うちで人気の、煮りんごのワンタン包み揚げとか作っちゃった♪
「達成できてるか」とか、もう考えない。
大きな懐に、身ひとつで抱かれに行くことにしたんだもの。
不思議だね。いや、当たり前か。
「あれもやんなきゃ、これもやんなきゃ」って思ってる時よりも、ずっとスムーズにいろいろできちゃう。
いや、できなくてもいいんだけど(笑)
そこで、養老さんの「睡眠」の話を思い出したのです。
「自然の中に行く」って決めたら、それだけで、「意識フル回転」じゃなくなった。
うまく言えないんだけど、「ゴミのあまり出ない意識状態になった」というか。まあ、そりゃ眠ってる時とは違うだろうけど。
きっと、同じ覚醒状態でも、「よりゴミを出しやすい意識状態」ってのがあるのだ。
がんばっちゃってる時。
無理してる時。
頭先行になってる時。
「~するべき」って思ってる時。
そりゃー、そんな状態でいたら、ストレス溜まって疲れます。
そういえば、坐禅会に通ってた頃、40分壁に向き合ってただただ座っていると、それだけで頭の中がものすごくきれいになって、雑念が消えた。
あれも、「そうじをした」感覚だったなぁ。
なんにしても、
今すでにだいぶニュートラルな感じに戻ってきたけど、
明日はひとりで、自然の中へ行って参ります。