昨日までの景色が違って見えるなんて思ってもみませんでした。
今日婦人科で
「卵巣が13センチに貼れている」
「超音波画像で悪性で間違いない」
と言われました。
晴天の霹靂を100回ぐらい食らった。
喉がカラカラになって唾がうまく飲み込めない。
先生からは、「明日にでも大きな病院に行くように」と。
先生の声も、ちょっと詰まっていて
そんな些細な変化を、仕事がら気づいてしまう私。
先生が大きな病院の紹介状を書いてくれて、大きな病院に予約を入れてくれる間、、、
どれぐらい経ったのだろうか。
スマホで「卵巣がん」と調べたり、それにも飽きて待合室の壁に貼っているポスター眺めたり。
隣に座っている女性は、『きっと大したことない婦人科の病気なんだろうな』と勝手に想像してみたり。
その間、今日この病院に来た理由を昨夜の出来事から振り返ってみた。
今日、婦人科受診を決めた理由は、本当に、本当に、些細なことで、
普段だったら、“きっとスルーしてやり過ごしていたでしょう”ぐらいのお腹の少しの違和感。
痛みじゃなくて、一瞬鈍い感覚が1秒ぐらい出てきては消える、これが1~2分おきに繰り返されていた。
女性だとわかると思うけど、ちょっとお腹が、痛いわけじゃないけど、なんとなくキリッてなることあるよね?(ない?)
けど、腸の痛みじゃないのはわかったし、しいて言えば、排卵痛に似ているキリッだった。
夜、友人と電話していて、友人にそのこと話したら
「明日絶対病院行ってーーー」と言われた。
幸い次の日はお休みを取ってたので、「ひょっとしたら子宮筋腫が大きくなったのかも知れないなぁ」ぐらいの感覚で、受診することにした。
そして、そのお腹のキリッは夜にはすっかり消えてたけど、「友達にも行くって言ったし明日は病院行こう」と決めて寝た。
・・・・
そんなことを待合室で思い出していた。
たいした痛みじゃなかったけど、友人に「明日絶対病院にいってー」と言ってもらい、受診して本当に良かった。
次の日休みで、良かった。
次の日仕事入ってたら、99%受診していないと思う。
体の違和感に気づくことができて良かった。
あの違和感は、昨日から全く訪れてない。
私の体ちゃんと教えてくれてて、それをしっかりキャッチした、、
そんな自分を、すごく褒めてあげたいと思った。
・・・・
これからどうしよう。
まず、仕事の段取りつけなきゃ。
スタッフにはちゃんと話して、夫に話して、子どもに話して、、、。
母には?父には?
色々な思いが頭をめぐる。
すごく冷静な自分に驚いたけど、仕事がら多少知識はあったので。
そういえば、「明るいがん計画」を立てていることを思い出した。
前々からがんに罹ったら、決めていたことがあったので、ついにその計画を実行する時が来たと思うが、手術やその後の治療はどうなるんだろう。
・・・・・
受付の人から紹介状を受け取り、そのまま家に帰る気がしなくなり、コンビニでパンを買って公園に行った。
お腹を触ると、すごくポッコリ出ている気がする。
卵巣は13センチになっているとのことだったので、それを聞いたからなおさら?
妊娠5か月ぐらいのお腹しているわ。
自分のお腹にそつと手を当ててみた。
今まで、無理して来たのかな?
お腹の中で溜まって、言えてないことあるのかな?
ごめんね、、、と体に謝ったり、手で温めたり、手でさすったり、エネルギーを送ってみたり、、、した。
天気が良くて、最高の景色。
昨日この景色をみたら、とても綺麗に見えたと思うけど、
今日の私は、無色に見えた。
たった一日で、見える景色がこんなにも変わるだなんて。
周りの家族連れが幸せそうに見える。
きっと、病気とか無縁なんだろうな。
それでも、見せてないだけでみんな何かは抱えているのかな?
私も周りからみたら幸せそうに見えるのかも・・・。
色々考えながら、公園を後にした。
さて、私はここから、どうするのだろう。
きっと来週には入院して手術するのかな?
たくさん入っているお客様の予約はどうするの?
会社はどうするの?
スタッフの勤務はどうするの?
年末まで入っているセミナーはどうするの?
セッションはどうするの?
東京は?
アメリカは?
ウズベキスタンは?
抗がん剤はするの?
色々なことを考えてしまう。
それでも幸いなことに、こんな不安だらけの中で唯一安心できること。
それは、「明るいがん計画」をしていたから、がん保険でお金が入ってくること。
お金の心配がないってだけで、こんなにも安心できるなんて。
会社に戻るとスタッフにこれまでのことを伝えた。
スタッフは「なんでそんなに冷静なのですか?」と言ってくれた。
たぶん、準備ができていたからだと思う。
「もし私ががんにかかるとこうしよう!」と決めていたから。
このフェーズに入っただけのこと。
スタッフが帰るときに、机の上に置いてくれてた付箋を見て少し泣いた。