高建代表の高橋です。
根っからの職人でこざいます。
今回の記事は、自分にとって技術と同じくらい大切だと思う事をまとめてました(⁠・⁠∀⁠・⁠)

若い頃ですね
当時の親方からよく言われました。

【感覚を磨け】と。

感覚=センス
それは持って生まれたモノではあるけれど、自分で努力し、さらに磨く事によって育つモノだと知りました。


常に本物を見て目を養え。
偽物ばかり見てると本物との区別がつかなくなる。
畑で育てられ売られている庭木より
山で風雪に耐えた雑木を見ろ。
綺麗に並んだ庭石より、山から落ちて川に転がっている石を見ろ。

真行草【しんぎょうそう】
真副控【しんそえひかえ】
日本古来の美的感覚を
空間の理念を感覚で見て覚えろ。
俺の感覚の真似をしろ。
真似ができたらお前の感覚を使って
俺の感覚を越えろ。

どんなに努力しても
どんなに結果をだしても
決して弟子を褒めない厳しい親方です。
だから本当に悔しくて…
見返してやりたくて…
休日は山と渓流を歩き、何百枚と撮った写真を毎日眺めました。
見知らぬ雑木の葉っぱを持ち帰り、分厚い樹木図鑑とにらめっこの毎日。
風呂と飯以外は、常に植木鋏を持ち続けて手に馴染ませていました。
露地・お茶の流れを学ぶ為に裏千家茶道へ通い、いけばな協会展・国風盆栽展等の展覧会にも足を運びました。

【褒めたらそれ以上伸びなくなる】

否定されて怒られて、何か言い返せば論破されて…
どうにもこうにもなりません。
とても頑固な人です。
著名な作庭家、故飯田十基先生の門下生であり、若い頃から庭造りに励み、作庭家として自分が県内では1番だと言っていました。

確かに
それは間違いなかったと思います。
親方は手掛けた庭を自身の作品と呼びました。
その作品はいくつか専門誌の表紙を飾り、特集されたり、あちこちから依頼され庭造りの講師も努めていました。




本当に凄い人なんですよね。
自然風庭園にこだわり、庭造りを依頼されるお客様も、それなりのお客様ばかりだったと思います。

僕は若かった事もあり、負けず嫌いの性格が災いとなりまして、親方にも反抗的になったりして…
よくぶつかりましたよ。

最後はいい加減に見放されてしまいましたが、厳しさも優しさであった事に、僕は後なってそれに気付きました。


そこでの経験
自分に活かされているか?

もちろん活かされています。

こだわりの庭を作る機会は、現在全くと言っていいほど有りませんが、
親方から学んだ感覚と言うスキルが、今でも色々な場面で役に立っているのです。
視覚的な感覚は見る事で養い、能力的な感覚は自分を常に越える事で、自然にスキルアップしています。
どちらにしても向上心が必要不可欠となりますけどね。

釘を真っ直ぐ打てない人は
何年たっても打てないそうです。
どんなにベテランの職人でも
感覚が悪ければ仕上がりもそれなりです。
いくら国家資格があっても、感覚の良い人の仕事には優りません。

そもそも
庭と外構工事を同レベルで扱う事は、よほどの経験を積まないと無理だと思いますよ。
逆に言えば、手広くやる業者がよくやる事だと思いますし。
庭に対する知識も、泥まみれになった経験と努力も足りていないのだから。

外構・エクステリアの業者さんが、
素敵なお庭作りをしますとか?
道路の草刈りや庭木の剪定ばかり
している造園業者さんが、素敵な外構・エクステリアを提案しますとか?

中途半端でしょ。
それって偽物だと思いますよ。
偽物は偽物しか知らないから、簡単に作りますって言えるのでしょうね。

DIYならともかくですよ?
業者として、プロとしてお金を貰う立場ならば、技術4に対して感覚6割の庭作りが必要だとは思いますが…
そんな事は関係なく宣伝をして、それなりにプランニングも施工もしちゃってるいる感じですよねぇ。

だから偽物なんです。

僕は17歳の時から地下足袋を履いていますが、庭造りと外構工事を両立できる域に達するには、全然まだまだ修行不足だと感じていますから。

利益重視の中途半端な業者が多い中で、本物を求めているお客様は数少ないかとは思います。
安くて上手くて早ければいい。
ファーストフード店みたいだけど、これからは実際そんな時代なんでしょうねぇ。
なんか、やるせない気持ちですよ。

僕はこだわりを強く持つ故、ただの仕事では絶対に割りきれないのです。
こだわりを捨ててしまったら…
それは職人ではなくなりますので。


うちの奥さんは、あなたは芸術家だからねって…
言ってくれています( ゜o゜)

自分ではそこまでの才能はないと思いますが、感覚を磨き続ける事で、元の感性に新しい感性がプラスになっているのは確かです。

悔しいけど最初は真似をして、上手く真似ができるようになったら、そこを抜いて越えて行く。
褒められて満足するようではダメ。
嬉しい気持ちはぐっ~と堪えてね、常に自分の仕事に厳しく向き合いますよ。

まだまだ
もっともっと貪欲に
磨きあげないとですね(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠)