早いもので1年。妻が出産した以外は家族皆これといった病気や怪我をせずに無事にきた。よかったよかった。


渡米する前は医療保険はどうしたらいいかといろいろ心配したが、あまり深く考えないで大学の用意する医療保険(HMO)に入った。その保険も今年から新しいものになって、copayの額が15ドルから20ドルと少し高くなった。1年を振り返る意味でこれまでいくらかかったかなと保険会社のホームページをのぞいてみた。


さすが、アメリカの保険会社のHPはよく出来ている。あらゆる情報がここで見ることができる。こんなの日本にないなとつくづく感心。いつどこでどんな診療を受けていくら請求されたか、保険会社がいくら病院に支払ったのかがすべて分かる。


それはいいのだが、見て愕然。すっごく医療費がかかっている。病院の窓口でcopay以外は全く支払わないので実際にいくらかかったかはここで見て初めてわかった。すごい。


妻は出産もあったのでかなりの請求だ。total 15647ドル。この金額考えただけでも冷や汗ものである。しかし、高いからと言って日本に比べて受けた医療がよかったという印象はない。ほとんど問題がなかったせいかな。出産までこれといったoptionの検査や治療がなくてこの金額。


超音波など日本では通院のたびに取るが、最初の1回と胎児の確認であわせて2回。その1回の超音波検査にchargeを見てみると540ドルかかっている。胎児の顔の映像が取れないということで後日取り直して、また240ドル。なんと高いもんだな。


子供たちもあまり大きな病気はせず風邪で数度病院に連れて行った程度で、後はワクチン接種のみであるが、子供の分の請求はtotal 4463ドル。


例えばこうである。2月某日、子供二人をワクチン接種に連れて行く。

長男
PHYSICIAN VISIT 100
HEPATITIS B VACINE 70
POLIOMYELITIS IMMUN 45
HIB VACCINE 45
VARICELLA INJECTION 80
ADMIN IMMUNIZATION 15x4
BILL: 400


次男
PHYSICIAN VISIT 100
HEPATITIS B VACINE 70
VARICELLA INJECTION 80
PNUEMOCOCCAL VACCINE 125
HIB VACCINE 45
MMR VIRUS IMMUN 75
ADMIN IMMUNIZATION 15x5
BILL: 565


なんと、ディエゴのおじさんによる接種前のてきとう1分診察を受けるたびに100ドルだったのである。ぶったまげである。日本の初診料2700円と比べていかがなものか。ワクチンも1本45~125ドルもして、さらに可愛い息子達がへたくそなおばさんにブスブスと太腿にワクチンを打たれるたびに、1本15ドル請求されているのである。ブスブス技術料が15ドル也。平気で4,5本打つので、あわせてその額なんと400ドルと565ドル。二人で1日10万円はかかっていることになる。Crazyだ。


家族あわせて1年で総額20110ドルである。ゆうに二百万円を超えている。ちなみに支払った1年間の保険料は1980ドル+402ドル(Rx)=2382ドル。ワクチンだけでも元が取れそうである。大きな病気などになっていたらと考えると保険はとっても大事だ。


しかし、保険会社が支払うのは、ここからディスカウントされた金額で20110ドル請求されているが、実際の保険会社の支払いは11518ドル。つまり43% OFFになっているのである。これが1つのからくりである。もし保険に加入していなければこのディスカウントの恩恵を受けることができず、丸々請求されることになる。とんでもなく恐ろしいことだ。


そして、アメリカには実際、無保険者が4000万人もいるそうで、そういう人が大病を患いまともに請求されたらまさしく破産である。そして不幸にも病気を患いそのため病院に多額の借金をした人が家財を差し押さえられるということがあたりまえのようにあるそうだ。その辺のアメリカの医療事情については、「(続)アメリカ医療の光と影」李啓充著などに詳しい。読んで見ると目からうろこである。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02767_06


こちらにきた時は、保険にしても何にしても選択肢がたくさんあっていい。いろんなメニューの中から好きなものを選べていいなと思っていたが大間違い。「食事抜き」の選択しか許されない人が大勢いることまで想像できなかった。反省。


国民皆保険と違い競争原理が働いてきっと安く抑えられているんだと思っていたのだが、とにかく高い。知る限り技術もたいしたことないし、普通である。アメリカのMDはすごくお金持ちだという話を聞く。やっぱり日本はまともでいい国だ。そして保険に入っててよかった(これが言いたかった)。

Auto Tagと看板を掲げてあるTag Officeに行く機会があった。理由は車のregistrationを再発行。中に入るとまず目に入ったのがきれいなデザインのナンバープレート。オフィスの壁にずらりと並べられている。どれもカラフルできれいなプレートだ。以前から気になっていたこのプレート、「specialty license plate」というらしい。


そうか、ここに来て申請すれば自分のお気に入りのナンバープレートをつけてもらえるのか。日本ではこんなのなかったな。


日本車はすばらしい。もちろん燃費もいいが、とても洗練されていてスタイルもデザインもかっこいいと思う。しかし一番目立つところに、「なにわ○○、へ○○-○○」とかダサダサのプレートをつければならない。毎年毎年、新しいデザインのスタイリッシュな車が開発されて市場に出るのだが、必ずダサダサプレートをつけなければならない。どんなに高価で高級感あふれる車でも、真っ白なプレートに「へ○○-○○」とかになってしまう。あー残念。


オーランドなどに行くといろんな州から来た車を見るが、どれもカラフルできれいなプレートをつけている。こんなのつけることができたらいいのになといつも思う。それに比べて日本のプレートは超ダサイ。


普通のフロリダのプレートは、英数字のナンバーの真ん中にオレンジがデザインされている(これも微妙に違うものがいくつかある)。



これでも十分いいと思うのだが、イルカやマナティー、カメなどのいろんなプレートをつけた車をよく見かける。100種類近くある。環境系、スポーツ系、大学系といろいろあって、どれもユニークなデザインだ。


2006年度のランキングでは、人気は環境系、大学系のplateが人気である。出身大学のプレートをつけたがるのかUniversity系も多い。野球、バスケやアメフトのスポーツ系もある。END Breast Cancerのような公共広告系といった感じのものもある。本当にたくさんある。


1 University of Florida 90,436



2 Protect the Panther 87,806



3 Protect Wild Dolphins 85,214



4 Helping Sea Turtles Survive 77,856

5 Florida State University 74,660

6 Save the Manatee 68,707



7 Tampa Bay Buccaneers 42,259

8 Choose Life 41,051

9 Challenger / Columbia 39,839

10 Protect Our Reefs 39,582


費用はプレートによって違うがAnnual Feeとして20-25ドル程度費用がかかる。きれいなデザインされたプレートを使用する代わりに、登録費用を団体や機関に寄付するといった仕組みである。そして、registrationと同じく1年毎の更新なので毎年この費用を収めることになる。2006年度で1,506,025が登録されていて、その総収入が2007年度で$ 33,475,198だそうで、円換算(1ドル108円)すると、なんと36億円になる。


例えば、Save the Manateeというかわいいマナティーのプレートを購入すれば、Save the Manatee Trust Fundというファンドにお金が入る。そして、マナティの保護のためにこのお金が使われるといった仕組みである。


しかし、アメリカは車社会なのでの当然登録数も多く、かなりのお金が団体や組織に入ることになる。しかも毎年更新なので、人気のプレートとなれば毎年それ相当額の収入が見込めるということになる。


Harbor Branch Oceanographic Institution, Inc という研究所などはAquaculture, Protect Wild Dolphins, Protect Florida WalesやSave Our Seasという人気のプレートを持っていて、 この研究所はこの4つのプレートだけで

$342,135(Aquaculture)

$1,674,980(Protect Wild Dolphins)

$527,350(Protect Florida Wales)

$643,325(Save Our Seas)

総額3,187,790ドル、日本円で3.4億円毎年稼いでいることになる。


この仕組み日本にはないのだが、やってみても誰も損をしないように思う。ドライバーはかっこいいプレートをつけることができてHAPPYだし、受け取る団体や組織も活動資金を得ることになる。動物保護なら当然動物の保護に役立つに違いない。事故や犯罪の時も、印象的なプレートは記憶に残るので悪いことはない。困るのは面倒な役人くらい。


例えば、オオタカのきれいなデザインのプレートを作って、オオタカの保護基金にするとか。トキなども。大阪府も財政難でいろいろな施設をリストラしようとしているが、、「笑う門には福来る」とかのプレートを作ってワッハ上方の運営資金にするとかできるかも。


とにかく、世界で最もすぐれた車を作る国であのプレートはない。



前のブログを見ながら少し気になった言葉。「biological mother」。ジョブスは養子だが生みの親を「biological mother」と言っている。


そうか、生みの親の事を英語ではそういうんだな。勉強になりました。


biologicalは生物学的と直訳するのだろうが、何か普通に使うには少し違和感があるようにも思う。日本語と少しニュアンスが違う。生みの親なら産んだ親、つまり出産した母親のニュアンスだろう。biologicalとは何か遺伝的なつながりがあるという感じがする。そんなことを考えながら、こんなニュース記事を見た。


代理出産の是非を検討してきた日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」(委員長=鴨下重彦・東京大名誉教授)は30日、代理出産の実施は新たな法律で原則禁止し、海外で実施された場合も、法的な親子関係は出産した女性を母とすべきだとする報告書案をまとめた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080130-OYT1T00689.htm



代理出産の場合はbiological motherと言うのだろうか、またどちらがそれになるのだろうか。「生物学的」にと言えば卵子を提供した母親だろうが、その場合日本語の生みの親にはあたらない。biological fatherはもちろん一人だろうが。



日本ではやはり出産するという行為自体が母親となる必須の要件ということなのだろうか。確かに、日本の出産は辛い。その辛さに耐えなければいけないし、何かその辛さに耐え忍ぶことが崇高な事で母親の資格のように思われているのかもしれない。



そういえば、三男をこちらで出産したとき立ち会ったが、エピトラルで無痛分娩をして出産時の痛みも辛さもあまりなかったそうだ。医師や看護婦も何かイベントが始まるかのような感じで、いよいよこの日がきましたねーって雰囲気だった。出産も、さあこれから始めましょうという医師の指示で始まって、「push, push」の連発。終れば皆さっさと後片付け始めるし、3日後には退院させられる。何か明るくて日本の出産のイメージと少し違った。



そういうことからしても、出産という行為に対する考え方が少し違うのかもしれないと思ってしまった。「産みの苦しみ」とかそんなのはないのかもしれない。



ところで、仮に米国で代理出産した場合はどこが問題なのだろうか。三男の時は、日本への出生届は生まれてから3ヶ月以内に、米国の出生証明書を添付して領事館に提出すればよかった。それだけ。その証明書には日時、母親の名前と生まれた場所などがあるだけで、もし米国で母親と認められればその欄には卵子提供者の名前だけが記載されてるだろうし、全く実子として戸籍に入ると思うのだが。


となると、今後は誰が出産したかの証明書も新たに提出する必要がでるのだろうか。


調べてみると、生みの親は「biological mother」の他に「birth mother」がある。日本語の生みの親はこちらが何かしっくりくるように思う。代理出産の場合は、genetic motherとかがいいのかな。