無くなった右足君への手紙

 

 空に昇った左足を追いかけて右足も無くなった日

 6年前の2月6日

 右足君、あれから6年経ちました。お元気ですか・・

 俺?・・・勿論元気だよ、君のお陰だよ、自分を犠牲にして

   俺に命をくれたんだも

 左足君がいなくなってから16日間貴方は最後までたかを

 守り続けてね。

        

 右足君のつま先から肉が壊死して濃紫色なっていって・・・・

 処置は俺のベッドの上・生理塩水をかけながら壊死した肉を

 麻酔なしに 削いでいくのよね。痛かったでしょうに・・・

 

 俺は弱虫だから病院内に響き渡る程の声で、痛ぁ~い!・

 痛ぁ~い!・・と叫んだ。

 ベッドの手摺りも曲がるかと思うほどのたうった・看護師さんの

 手が潰れる程握りしめたんだ。

 

 壊死した肉を削がれながら生理食塩水をかけるものだから、

 それだけでも痛かったのよ。


 それの繰り返しが週2回・弱虫たか・でごめんね!

 貴方を誇りに思う。

 あのね、最終的に先生に言われたの・・此の儘だと壊死が上の方まで

 進んで行くのでと・・・

 

 言いづらいけれど、切断します・・って

 その時、削がれる痛みから逃げたくて俺は切断してして下さい・・

 って返事したのよ。・・・

 

 君には申し訳なく、許して欲しい!

 

 何十年も付き合ってくれてありがとう。君の死を決して無駄にしないように

 元気に生きて行くことを君に誓う

 

 右足君に約束します。指切りしよう「嘘ついたら針千本の~ます」

 

 

 お陰で、今は右足君の代役の義足君と一緒です。とっても楽しいよ・・・ 

 あのね、車に乗れるよ・ソロキャンプ出来るよ・釣りも

 愉しんでいる。ありがとう・
 俺が死んだらそちらで合体しよう。

 左足君と一緒にまた楽しい人生送るべや~