朝起きると涼しい風が肌を触り、ベランダに出てリラックスできるイスに座り、サラリーマンが作る黒蛇のような列や通り過ぎる車、カラスの鳴き声から朝、街が動きだしたのを感じる。とても爽やかで素晴らしい時間だが、そう長くは続かない。前日の朝も食べた美味しい卵雑炊と、羽付きパリパリ餃子(好物なのだが病院にあるコンビニだとほとんど品切れで買えない)を、この後の車移動も加味して食べすぎない程度に頬張った。


あらかたの荷物の整理は前日のうちにやってもらっておいたので、スムーズに出発。またこの我が家に戻るのが1ヶ月先と考えるとつらい。友達からの手紙の返事もついでに出して、タクシーに乗り込む。タクシーは相変わらず酔うので苦手。なかなか病院内に入りたくないので外のアツアツのベンチで手続きが済むのを待っていたが、その暑さも心地よかった。憂鬱さが酔いでたかまり、見慣れた病院の建物を見た時にはさらに強まり、自分の病棟のベッドに倒された時にそれは最高潮に達した。1回目入院したときにあった「入院中に何々しよう!」というモチベーションがないのが、今後の入院生活でネックになってきそう。


荷物をトランクから取り出し広げ、前置いてあった通りに荷物を配置すれば、もう何もかも元通り。体温や血圧を測り、18時になれば夕食が運ばれてくる、パジャマの袖が少し長いのでまくる、という前までの生活に、一瞬で戻ってしまった。


いきなりカテーテルをいれた。あと両親がきているので先生も交えての今後の治療方針説明があった。