本時は前回から持ち込み作品の修正指導をしています。とても独特な表現世界をお持ちなので個性が失われないように十分留意しています。下は前回の持ち込み作品の指導終了段階でまだ不完全な状態です。
話は違いますが、以前勤務していた市内の某中学校で3年生３クラスを受け持ったことがあります。その中で飛び抜けて表現力のある女子生徒がおり授業の後、よく質問をしていました。その時「ある発想と着眼点」を常に伝えていました。
彼女はその年の市内小中写生大会で特別賞（最高賞）を受賞し、その後、５教科も成績が飛躍的に伸びて広島市内の市立M高校に進学しました。
私はその「ある発想と着眼点」こそが造形表現の根底にあると信じて日々教室で指導しています。あまり知られていませんが高校進学では５教科だけが良くても実技教科がふるわなければ希望の進学ができないこともあります。ここの点はよく担任の先生にうかがわれるのが宜しいと思います。
今日の授業はその「ある発想と着眼点」に関係があります。
絵画作品は「好きだから」描くのだと思いますが「好きなように」描くことと同義ではありません。美しいフォルムや配色には厳然としたルールがあり、表現にもいろいろな種類や技法があります。
本時は作品に取りかかる前にこちらの作品のそれらの観点から再考が必要な部分の解説をして修正を始めました。マスキングテープを施してその修正のポイントをわかり易くしています。
表現については作品について「ビジョン」が必要になります。行き当たりばったりで制作をやっつけていると必ず壁にぶつかります。そのため制作については常に「足さない」意識を大事にします。このブログではもちろん完全には伝わらないとおもいますが^^
先ほどの部分の完成を待たずして次の問題点の場所に取りかかります。普段はあまりしないのですがきっちりと輪郭が欲しいので新聞紙でマスキングをしています。腕枕が使えない方はこういった手段も有効だと思います。
問題点のもう一つ、雨で濡れた路面の表現です。ここは作品の見せ場なのでできるだけコントラストを強めたい所です。そのためかなり下地に強い発色を置いています。
本日は二時間でどうにかここまでたどり着きました。いろんな余分の構造線を省いてスッキリしました。また路面の濡れた感じもよくでてきました。
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