Love Means You Never Have To Say You're Sorry.

愛とは決して後悔しないことよ…


この名言とフランシス・レイの名曲が、この映画を名作にしたと言っても過言ではないでしょう…


原作はエリック・シーガルの同名小説。 発表後1年にわたって全米ベストセラートップを独走したこの小説はシーガルの処女作でしたが、彼はビートルズ映画『イエロー・サブマリン』や『ザ・ゲーム』の脚本で、ハリウッドではすでに注目されていたそうです。



この物語は若いカップルの短い愛の軌跡に加えて、それぞれの父と息子、父と娘の愛の形が対照的に描かれています。




「この映画を見るには、ティシュ・ペーパー5箱を必要とする」
―タイム誌評






何を言うことが出来るだろう?
25歳で死んだ女について…


彼女は美しく聡明だった…


彼女が愛していたもの…
モーツァルトとバッハ…

ビートルズ…



それにぼく…

ある愛の詩
1970年作品

アーサー・ヒラー監督作品

原作・脚色エリック・シーガル




オリバー(ライアン・オニール)がジェニファ(アリー・マッグロー)と出会った時、お互いにまだ学生でした。

オリバーはマサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大、ジェニファはラドクリフ女子大(現在はハーバード大に完全統合)に通っていたのでした。

オリバー・バレット4世…これが彼の名前で、彼はアメリカ屈指の名門に生まれた御曹司でした。

オリバーは子供の頃から自分の名前に4世とつくのがとても厭で、それはそのまま父親への反抗心となっていました。

彼は父親のことを「サノバビッチ(son of a bitch)」と侮蔑的に呼んでいます。


一方ジェニファ・キャブラリは、母親を早くに亡くし、父親のことをフィルと呼んで友達のような関係を築いていました。



そんな2人の出会いはラドクリフ女子大の図書室で…。

その後、2人はデートを重ねてお互いの距離を縮めていきます。



私は原作にあった2人のファーストキスのシーンがとても好きでした…


「私、いいって言った?」

「キスしてもいいって、私言った?」
「ごめんよ、夢中だったんだ」



そのあと深いロングキスへ…



「私って、イヤ…」
「なにが?」

「キスの好きな私がイヤ」



いいっすよね?

このウブなセリフ最高っスよね?


このシーンが映画では見られなかったのは残念でした。

ま、当時ジェニファを演じたアリー・マッグローは30歳を過ぎていたので、このセリフを言わせるのは酷だったのかも知れませんの。






そしてアツアツの2人は学生結婚へ…

学生結婚にオリバーの父親は反対しますが、オリバーは父親と絶縁してゴールインします。


その後、結婚のためパリ留学をあきらめたジェニファは教師として働き、オリバーはアルバイトをして生計をたてながらアパートに暮らし始めます。

ある時オリバーは彼の父親との仲を修復しようとしたジェニファと衝突…

ジェニファは家を飛び出してしまいます。


慌てて方々を探し回るオリバー。




結局、日が暮れるまで探し回ってもジェニファを見つけられずにアパートに帰ると、ドアの前の階段に彼女が泣きながら座り込んでいました。


「ジェニー、ぼくが悪かった…」

「やめて…愛とは決して後悔しないことよ」


2人は部屋に戻るのでした。







やがて大学を出たオリバーは、ニューヨークで弁護士として働き始めます。



なかなか子宝に恵まれなかった2人は病院で検査を受けますが、その時ジェニファに深刻な病気が見つかるのでした。

白血病…

当時は不治の病でした。





映画の前半で、ロマンチックなシーンを飾る雪景色は美しい人生の象徴でありましたが、後半では冷たい過酷な人生の象徴となります。












そして…

ジェニファに最後の時が訪れます。



「全然痛くないわ…」


「まるでスローモーションで崖から落ちていくみたい…」














ジェニファが死んだすぐあとに絶縁中の彼の父親が病院に駆けつけますが、オリバーはその父親に背を向けて去り、それを哀しげな目で見送る父親の姿で映画はエンディングになります。



私はこの映画を見たとき、思春期にさしかかった頃だったので、オリバーの父親への反抗心にとても共感出来ました。

でも長じてからこれを見ると、父親の息子への愛情も、すごく伝わってくるんです。

結局オリバーは、ジェニファが彼のことを「プレッピー」(半人前のお坊ちゃん)と呼ぶように、ボンボンだったですね。



父と子の葛藤は世代を超越した永遠のテーマですな。





ちなみにこの映画には、デビュー間もないトミー・リー・ジョーンズがオリバーのルームメート役で出ていました。


        首の太さは変わりませんな…













この物語に続く『続・ある愛の詩』では、父と子の和解が感動的に描かれています。
ラストの父親の涙にはもらい泣きしてしまいましたね。

オリバーは次の恋愛で大人になります。






話は違いますが、私は40年程前に、この映画でオリバーを演じたライアン・オニールの娘さん、ティータム・オニールと会うことが出来たんです。

会話を交わした訳ではないので、会うというより見たという方が正確な表現ですが…
しかしそれは超至近距離でした。


その時得た直筆のサイン入りポートレートが2枚あったのですが、どこに仕舞い込んだのか行方不明でして…

もし見つかったら即ヤフオクへ…

と思っていますが、今では彼女のこと知ってる人、ほとんどいないのかな?


ま、その時のティータムの印象については、彼女が出演した映画記事のときに書き添えたいと思います。





本日もご訪問ありがとうございました。

お体ご自愛ください。