記事入力 : 2014/09/24 09:29
朴大統領に「在米韓国人」らがストーカーまがいのデモ


 韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が国連総会で基調演説を行うために米ニューヨークに到着した23日(韓国時間)、在米韓国人を名乗る人々が在ニューヨーク韓国総領事館や国連本部周辺で朴大統領を非難するデモを展開した。
 左派傾向の書き込みが一部見られる米国のインターネットサイトや親北朝鮮傾向の宣伝メディアがデモの日程を予告し、デモの状況を伝える役割を果たしていることも分かった。

■ストーカーまがいのデモ

 朴大統領がニューヨークに到着した23日、「セウォル号を忘れない人々」などという組織名を名乗る現地在住韓国人は、国連演説当日の24日に国連本部に通じるセカンドアベニューで朴大統領を「糾弾」するデモをゲリラ的に行うと予告した。
 参加者は集会で「(檀園高校の)数百人の子どもたちの死に責任がある朴大統領は直ちに辞任すべきだ」という声明を発表し、ニューヨーク総領事館から国連本部近くまで行進した。行進では犠牲となった檀園高の生徒らと遺影や「朴大統領下野」などとかかれたプラカード、朴大統領をかかしとして描いたイラストなどが登場した。
 韓国の伝統衣装を着た参加者は、韓国総領事館近くで「(セウォル号事故は)青瓦台(大統領府)が指示し、国家情報院が脚本を書いたものだ」「(事故当日大統領の消息が途絶えたと一部で伝えられた)7時間の痴情政治の内幕を明らかにしろ」などど書かれたプラカードを手にデモを行った。あるデモ参加者は「北米19都市で同時に連続・連帯デモが行われるのは、韓国の歴代大統領で初めてだ」と語った。
 今月20日にはロサンゼルスで開かれた韓国人のイベントに招かれたセヌリ党のナ・ギョンウォン国会議員も朴大統領退陣を要求するデモ隊に遭遇した。当時デモ隊の一部は、現地在住韓国人とあいさつを交わすナ議員をオープンカーで追い回し、「セウォル号特別法制定」「朴槿恵退陣」などのスローガンを叫んだ。

■米国の左派サイトが呼び掛け

 本紙の取材によると、今回のデモは在米韓国人の主婦向け生活情報サイトとされる「ミッシーUSA」の掲示板や米国にある親北朝鮮サイト「民族通信」などで事前に予告されていた。その後、在米ニュースサイト「ニュースプロ」と同サイトが設立した「正義と常識を追求する市民ネットワーク」(略称・正常追)という組織がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じ、デモの状況を韓国国内に伝えた。こうしたルートで海外での反政府デモがリアルアイムで韓国国内に「中継」された格好だ。
 今月5日、ミッシーUSAの掲示板には、朴大統領の訪米に合わせた集会計画の告知が投稿され、ニュースプロは翌日、「ニューヨークの同胞社会は朴槿恵のニューヨーク訪問に合わせ、大規模な糾弾デモを計画している」とし、デモの日程や場所を詳しく伝えた。
 ニュースプロは「(在米の)キム・ドンギュン牧師を中心として、VIP(朴大統領を指す)の国連総会出席期間の糾弾デモを推進している」などとする記事で、デモの計画を集中的に報じ、「朴槿恵の宿泊先が明らかになり次第、ホテル前での奇襲デモ、糾弾大会も計画している」と伝えた。キム・ドンギュン牧師は北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去した当時、「6・15共同宣言実践ニューヨーク地域会弔問団」に加わり、朴槿恵政権発足後は反政府デモにたびたび参加している人物とされる。「正常追」もツイッターやフェイスブックで一連の動きを伝えた。
 今回のデモに米国在住の親北朝鮮派、ノ・ギルナム氏(70)が姿を見せ、ノ氏が運営するインターネットサイト「民族通信」も加勢したことも注目に値する。ノ氏は米市民権を持ち、北朝鮮に頻繁に出入りしながら、北朝鮮の立場を代弁してきた。ノ氏は21日にニューヨークの韓国総領事館前で開かれた朴大統領糾弾集会に出席したことが確認された。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版