記事入力 : 2014/09/12 20:39
「吉田調書」誤報の朝日に各紙がこぞってバッシング
慰安婦報道など相次ぐ誤報で
「朝日たたき」記事一色

 12日付の読売新聞は、1・2・3面など10面分にわたりライバル紙・朝日新聞に関する記事を掲載した。「『慰安婦』追い込まれ謝罪」「誤った事実 世界に拡散」など刺激的な見出しが踊る。産経新聞も同日、「慰安婦問題、全面修正すべき」「慰安婦問題の誤報で日本の名誉が傷つけられた」などと朝日新聞関連記事を7面分にわたり取り上げた。
 各紙が大々的に「朝日たたき」に乗り出したのは、朝日新聞が慰安婦に関する一部報道に続き、原発事故関連報道でも誤報を認めたからだ。朝日新聞の木村伊量社長は11日夜の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所で事故が発生した時に現場責任者だった吉田昌郎元所長(昨年7月に死去)に対する調書報道で誤報を認め、謝罪した。朝日新聞は5月20日に政府事故調査委員会の吉田調書を入手、「福島第一原発(1F)の現場の人間の9割が所長命令に違反、10キロメートル離れた場所に撤退した」と報道した。朝日新聞は社内検証の結果、「吉田氏の待機命令は職員に正しく伝わっておらず、吉田氏自身も命令に違反した撤収とは認識していなかった」と明らかにした。つまり、資料解釈上の誤報だということだ。朝日新聞は同日、社長の謝罪文と関連内容を8面分にわたり掲載した。
 木村社長は記者会見で、済州島で女性を慰安婦として強制連行したという吉田清治氏(故人)の32年前のインタビュー記事を先月取り消したことについても謝罪した。しかし、木村社長や同紙幹部らは「吉田証言が誤報でも慰安婦問題は女性の人権を踏みにじった人権問題という認識に変わりはない。引き続き報道する」と話した。
 中道的な毎日新聞はこの日、1面記事で「今回、多くのメディアが過剰な朝日批判を繰り広げた。感情的な、あるいは利害関係から行う批判は、報道機関の信用毀損(きそん)を拡散し、報道機関全体の信頼を失わせることになる」と懸念している。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版



記事入力 : 2014/09/12 21:18
慰安婦:塩野七生氏「繰り返せば自ら信じるようになる」
『ローマ人の物語』書いた有名作家
文藝春秋に強制動員を否定する寄稿
元慰安婦による証言の信ぴょう性に疑問
「慰安婦という名前は本当に優しい」

 韓国にも読者を多く持つ日本人作家の塩野七生氏(77)が旧日本軍の従軍慰安婦強制動員を否定する文章を月刊誌「文藝春秋」に寄稿した。塩野氏は1964年にイタリアに渡り、独学でルネッサンスやローマ史を研究した。『ローマ人の物語』『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』など多くの歴史書を著しており、韓国でも翻訳・出版されベストセラーになった。
 同氏は元慰安婦の証言について「人間は恥ずかしかったり、悪いことをしたと感じたりした場合、強制的に仕方なくやったと主張する傾向がある」「自ら繰り返し語っているうちに、自ら信じるようになる」と主張した。また、「(元慰安婦に)繰り返し質問しても、それ以上のことを言わず、泣いて絶叫し、バカにするなと腹を立てて終わりにしてしまう可能性が高い」とも書いている。
 塩野氏は、慰安婦問題を集中的に報道した朝日新聞に対し「朝日は(こうした報道が)日本にどれだけの弊害をもたらしたのか考慮しなかった」「(慰安婦問題は)日本に住む日本人が思っている以上に大きな問題になっている。アジアはもちろん、欧米人も関心を持つようになり、手術は避けられないだろう」としている。
 朝日新聞が先月、「慰安婦を強制連行したと主張した吉田清治氏(故人)の関連インタビューを裏付ける証拠はない」として該当記事を取り消したことについて、同氏は「朝日の告白が(慰安婦問題と関連する)外国、特に米国の雰囲気を変えるきっかけになるかどうかは、日本人の対応にかかっている」と書いた。また、「朝日新聞関係者や慰安婦の強制動員を認めて謝罪した河野談話の発表にかかわった自民党の政治家たちを国会の聴聞会に出席させ、テレビで生中継すべきだ」と述べた。
 それでも、朝日新聞は「女性の人権を踏みにじった慰安婦問題の本質は変わらず、旧日本軍がインドネシアでオランダ人女性を強制連行するなどした証拠は多い」と主張している。
 塩野氏はオランダ人女性の強制連行事件について「この話が広がれば、日本にとって致命的になる可能性がある」「政府は再調査すべきだ」「誰が慰安婦という名称を付けたのかは分からないが、実に優しい名前を付けた」「慰安という単語は苦痛を癒すという意味だ。従軍慰安婦という単語を別の言語で探してみたがなかった。だから、英語で翻訳すればセックス・スレイブ(sex slave=性奴隷)になる」とも書いている。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版