世界の市場となった中国、韓国ならではの商品を売らねば
2014年07月03日13時13分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

#1.先月末に公開された米国映画『トランスフォーマー4』には中国俳優の李氷氷が主要キャストとして出てくる。映画のあちこちに中国製品が間接広告され、世界で初めての試写会も香港で行った。ハリウッドの計算は当たった。この映画は中国で公開されてから3日で900億ウォン以上を稼いだ。これで終わりではない。トランスフォーマーのおもちゃに関心を見せる中国の14歳以下の児童人口は3億人だ。KOTRA厦門貿易館のキム・ミンジ氏は、「中国は世界おもちゃの75%を生産する最大のおもちゃ生産国だが、近く最大消費国になるだろう」と予想した。だが、中国の10大おもちゃブランドにまだ韓国企業の名前はない。
#2.SKテレコムは4日、中国の正威グループと情報通信技術(ICT)分野での協力に向けた了解覚書(MOU)を結ぶ。今回のMOUは韓国が中国に工場を作る一方的投資ではない。両社が共同で新たな事業機会を探そうというのが骨子だ。正威グループは鉱業からスタートし半導体へと領域を広げるところで、SKテレコムは中国でIT事業を共同で進めるパートナーが必要な状況だ。SK関係者は「中国はいまや単純な生産工場ではなく戦略的なパートナーだ」と話した。
韓国と中国の経済協力の質が変わっている。中国は世界の工場から世界の市場になった。韓国の内需を回復させるためにも中国の資金を引き込むことが急がれる。だが、関係は過去よりもはるかに複雑になった。中国が「G2」になり韓中の通商問題は日本や米国の牽制を受ける多者間問題になる。財界は習近平中国国家主席の訪韓が韓中経済協力の3次方程式を解く契機になることを期待している。
足下の火は中国内需市場攻略だ。毎年増える韓中間貿易規模は昨年2290億ドルに達した。しかし中国市場でシェア1位の韓国消費財は2010年の96品目から昨年は66品目に減った。民族感情面で韓国より不利な日本製品の165品目に比べ半分にも満たない。台湾の79品目よりも少ない。消費市場に食い込めなければ韓中自由貿易協定(FTA)の効果も半減するほかない。韓国政府は両国首脳会談を通じFTAの早急な処理と消費市場の貿易障壁解消について意見を交わす予定だ。参鶏湯(サムゲタン)やキムチなど韓国代表商品が中国の検疫手続問題で輸出がうまくいかずにいる。全国経済人連合会アジアチーム長のチョン・ボンホ氏は、「ドラマ『星から来たあなた』を通じ中国で大人気を集めた“チメク”(チキン+ビール)のように韓国ならではのビジネスモデルを探すことが至急だ」と話す。
習主席の手土産に対する関心も大きくなっている。これまで中国の韓国投資が振るわなかったためだ。中国の海外投資は2012年基準で年間878億ドルに達する。このうち韓国に投資された資金は1%水準だ。韓国が中国に投資した資金と比較しても9分の1にすぎない。習主席は3月のフランス訪問時にエアバスの航空機70機の購入とプジョーの株式取得など総額248億ドルの投資を決めたりもした。ちょうど新たな局面も迎えている。韓国政府はセマングムに韓中経済協力特区「チャイナバレー」を作っている。チャイナバレーは韓国で初めて推進される国家間経済協力特区でもある。KOTRAのホン・チャンピョ中国事業団長は、「これまで韓国の対中進出戦略は中国で作って外国に売る『メイド・イン・チャイナ』だった、これからは中国消費市場を狙った『メイド・フォー・チャイナ』、中国とともに機会を模索する『メイド・ウィズ・チャイナ』戦略が必要だ」と話した。
韓国の立場で最も難しい宿題は多者間協力だ。中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するかどうかが問題だ。中国は7月末までに返答を求めている状態だ。しかし米国は好ましくないと考えている。昨年韓国が苦心の末に参加意向を明らかにした米国中心の環太平洋経済連携協定(TPP)と中国主導の域内包括的経済パートナー協定(RCEP)参加問題も決断は容易でない。