ベトナムの原発建設協力で合意…日越首脳会談
【ハノイ=宮井寿光】ベトナムを訪問中の菅首相は31日、ハノイ市内でグエン・タン・ズン首相と会談し、ベトナム政府が予定している原子力発電所の建設について、日本を「協力パートナー」とする共同声明を採択した。
日本政府は新成長戦略で、アジアの新興国を中心に原発など海外インフラ(社会基盤)の受注を掲げ、官民一体での取り組みを強化している。
また、両首相は省エネ家電などの部品に不可欠なレアアース(希土類)についても共同開発することで合意した。レアアースの生産量は中国が世界の9割以上を占めているが、輸出制限が問題となっている。
(2010年10月31日13時30分 読売新聞)
発禁処分の「チャイニーズ・デモクラシー」
配信元:産経新聞
2010/10/31 13:35更新
【音楽の政治学】
ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏が、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決を受ける理由となった「08憲章」をインターネット上で公表した2008年、民主化要求の動きを警戒する中国政府の神経を逆撫でした、米西海岸ロサンゼルスの4人組がいた。
ボーカルのアクセル・ローズを中心に世界的な人気を博したロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼスが、17年ぶりにリリースしたアルバムのタイトルは「チャイニーズ・デモクラシー」。冒頭を飾る同名曲は、中国政府の弾圧ぶりを非難する内容だった。
♪お前らは全て閉じこめていると思っている 彼らを痛めつければ皆死ぬ そして彼らを独房に連れていき 今、地獄へ戻る道を探して掘り進めている
「中国の民主化」というあまりにもストレートなタイトルのアルバムは当然、中国では発禁処分となり、ネット上のダウンロードサイトからも削除された。
発売直後の08年11月25日、中国外務省の秦剛報道官は定例記者会見で「私の理解では、多くの人がこの種の音楽を好まない。あまりにも騒然としていて、騒音がひどい。成熟した大人であってもらいたい」とこき下ろしたが、規制の理由が歌詞の内容にあることは一目瞭然だった。
♪俺の幻滅した顔を見ろ 法輪功のせいにすればいい 彼らは終焉を見てしまっている もうお前たちは持ちこたえられない
決定的だったのは、中国政府が非合法化して徹底的に弾圧している気功集団「法輪功」の名前が歌詞に含まれていることだった。
中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は当時、「米バンドが中国を悪辣に攻撃するアルバムを発表した」と主張。「暴力や性、ドラッグにまつわるスキャンダルにまみれた西側のスターが中国の民主化についてどんな理解をしているのか、問題外だ」とするネット利用者の意見を紹介している。
中国社会科学院米国研究所の研究員は同紙に対し、「中国は大きな変化を遂げているが、政治家の宣伝などが根深い中国観を植え付けている。偏見を抱かないでほしいし、われわれも対外的な宣伝をしていかなければならない」と語ったが、劉氏のノーベル賞受賞に対する中国政府の対応をみる限り、「チャイニーズ・デモクラシー」が揶揄(やゆ)した状況は、今も続いている。(北京 川越一)
【ハノイ=宮井寿光】ベトナムを訪問中の菅首相は31日、ハノイ市内でグエン・タン・ズン首相と会談し、ベトナム政府が予定している原子力発電所の建設について、日本を「協力パートナー」とする共同声明を採択した。
日本政府は新成長戦略で、アジアの新興国を中心に原発など海外インフラ(社会基盤)の受注を掲げ、官民一体での取り組みを強化している。
また、両首相は省エネ家電などの部品に不可欠なレアアース(希土類)についても共同開発することで合意した。レアアースの生産量は中国が世界の9割以上を占めているが、輸出制限が問題となっている。
(2010年10月31日13時30分 読売新聞)
発禁処分の「チャイニーズ・デモクラシー」
配信元:産経新聞
2010/10/31 13:35更新
【音楽の政治学】
ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏が、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決を受ける理由となった「08憲章」をインターネット上で公表した2008年、民主化要求の動きを警戒する中国政府の神経を逆撫でした、米西海岸ロサンゼルスの4人組がいた。
ボーカルのアクセル・ローズを中心に世界的な人気を博したロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼスが、17年ぶりにリリースしたアルバムのタイトルは「チャイニーズ・デモクラシー」。冒頭を飾る同名曲は、中国政府の弾圧ぶりを非難する内容だった。
♪お前らは全て閉じこめていると思っている 彼らを痛めつければ皆死ぬ そして彼らを独房に連れていき 今、地獄へ戻る道を探して掘り進めている
「中国の民主化」というあまりにもストレートなタイトルのアルバムは当然、中国では発禁処分となり、ネット上のダウンロードサイトからも削除された。
発売直後の08年11月25日、中国外務省の秦剛報道官は定例記者会見で「私の理解では、多くの人がこの種の音楽を好まない。あまりにも騒然としていて、騒音がひどい。成熟した大人であってもらいたい」とこき下ろしたが、規制の理由が歌詞の内容にあることは一目瞭然だった。
♪俺の幻滅した顔を見ろ 法輪功のせいにすればいい 彼らは終焉を見てしまっている もうお前たちは持ちこたえられない
決定的だったのは、中国政府が非合法化して徹底的に弾圧している気功集団「法輪功」の名前が歌詞に含まれていることだった。
中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は当時、「米バンドが中国を悪辣に攻撃するアルバムを発表した」と主張。「暴力や性、ドラッグにまつわるスキャンダルにまみれた西側のスターが中国の民主化についてどんな理解をしているのか、問題外だ」とするネット利用者の意見を紹介している。
中国社会科学院米国研究所の研究員は同紙に対し、「中国は大きな変化を遂げているが、政治家の宣伝などが根深い中国観を植え付けている。偏見を抱かないでほしいし、われわれも対外的な宣伝をしていかなければならない」と語ったが、劉氏のノーベル賞受賞に対する中国政府の対応をみる限り、「チャイニーズ・デモクラシー」が揶揄(やゆ)した状況は、今も続いている。(北京 川越一)