英進堂がパラスに変身 | 新潟ブラブラ日記

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2021年11月25日、英進堂に行ったら、店内がスッキリしていました。


英進堂は新津の老舗書店です。
2021年の2月、コモタウンから現在地に移転。最初は小スペースで細々とやっていましたが、最近は、店舗を奥にまで広げて、書籍が店内ビッシリ並んでいただけに本当にビックリしました。

店長に「スッキリしましたね」と声をかけると、「実は12月1日から店名が変わるんです。英進堂からパラスになります。経営者が変わったんです。引き続き店は私が一人でやっていきます」

突然のお知らせにビックリしましたが、冷静に僕は尋ねました。「雇われ店長になるわけですか?でもこの建物と土地は店長の所有だから、新しい経営者に貸付けるということですか?」

「土地と建物は私の物です」と店長は答えたが、新しい経営者に土地と建物を貸付けるのかどうかは違うようです。

「新しい経営者は、新津の人ですか?」

そうだと言う。

「今までの英進堂の常連のお客さんも大事だが、新しいお客さんも獲得していきたいんです。店名を変えるのも、英進堂のイメージを払拭して新しくやっていく為です。」

今度の店内は、雑誌が全くないし、新潟県の郷土史本も全てなくなった。文学関係の本も少ししかない。遠藤麻理さんの『自業自毒』『ラジオを止めるな!』もない。最近は、岩波文庫と岩波新書を全点棚に揃えていたので、少しずつ買っていこうかと思っていただけに残念です。

現在のベストセラー本も1冊もありません。

前は毎月1万5千〜2万円くらいは英進堂で購入していたが、現在地に移転してからは、並べられている書籍が少ないので、どうしても購入する本が少なくなっていました。それでも毎月欲しい本を取り寄せてもらって、毎月1万円前後は英進堂で購入してきました。

現在は、古書店組合かヤフオクで検索すれば、欲しい本がすぐに見つかるので、とても便利です。

新刊は、英進堂では、並べられている書籍が少ないので、他の書店で購入することが多いです。

ただ蔦屋書店新津店は、現在、支払いがセルフレジのみなので購入しません。非常に不便です。

今回、英進堂に並んでいる書籍を見てみると、店長によるセレクションなのか、新しい経営者のセレクションなのかわからないけれど、こだわりは感じた。この品揃えに多くのお客さんが注目してやって来るのかどうかはわかりません。

雑誌が全く販売されていませんが、定期購読なら取り寄せをしてくれるそうです。

店の今までの電話番号はファックスのみとなるそうです。電話は店長の携帯電話の番号を教えてもらいました。

新潟県の郷土史本が全くないのが不満ですが、興味ある書籍はあったので、金額は6冊で1万円超えの書籍を購入して帰りました。


僕が小学生から高校生の頃は、新津に書店が沢山ありました。岡村書店、東洋館、神田書店、そして英進堂です。

一番好きな書店は、岡村書店でした。岡村書店は江戸時代から続く老舗書店でした。店長の岡村正平さんは、郷土史研究家でもあり、数冊本を書いています。そして、ここのブックカバーが好きでした。同じデザインで3種類の色違いを作っていて、このブックカバーをしてもらうのが本当に楽しみでした。1983年に突然閉店してしまった時は、本当にショックでした。

東洋館は、現在の休憩所である東洋館の隣、現在のデイサービスの事務所の場所にありました。新聞販売店の錦織さんがやっていた書店です。錦織さんは、東洋館を新津市に寄付すると、新聞販売店を滝谷に移転させました。その後、新聞販売店の経営を現在の人に譲り、江南区へ転居しました。数年後、新聞に死亡広告を見つけました。

神田書店は、駅前通りにありました。僕が小学生から高校生の頃は、お婆さんが一人で店番をしていました。このお婆さんの愛想が本当に悪かった思い出があります。僕が店に入ると、いつもお婆さんは僕が帰るまで僕の横につきっきりでした。子供だった僕が万引きでもすると思っていたのでしょうか?だからいつも迷惑で入るのが億劫(おっくう)でした。時々雑誌などを購入しましたがお婆さんと会話をしたことはありません。お婆さんが亡くなると、その息子さんが店を続けていましたが閉店しました。

その息子さんは、最近まで新潟中央コミュニティセンターの管理人をやっていたのですが、神田書店を辞めた理由を聞くと、商売としては、充分成り立っていたので、辞めるつもりはなかったが、取り引きしている問屋から「うちと取り引きを続けたいなら保証金として30万円を払え!」と突然請求が来たそうです。言う通りにお金を払うのが馬鹿らしいから店を閉じたそうです。

英進堂は、新津本町に3店舗ありました。現在地と駅前通りのブックセンター、そして駅前交番の斜め前です。田家のやませストア、五泉、加茂にもありました。英進堂のブックカバーは、創業時の英進堂の店舗の写真を使っていましたが、場所は現在の場所ではなかったそうです。高塚文具店の隣だったそうです。

パラスに変わっても英進堂の看板は変わっていません。




英進堂の歩み

昭和34年9月   新津市本町4丁目に英進堂書店として発足(3坪)(進歩向上を目指して命名す)

昭和35年3月 隣接店が転出、英進堂が移転

昭和42年11月 本町3丁目へ移転(17坪)

昭和47年11月 新津駅前美好館ホテルへ出店。支店第1号。ここを駅前店として発足、3丁目店は本店となる、

昭和50年4月 本店の4軒隣の店舗を取得(50坪)

昭和50年10月 加茂市駅前に別会社(株)加茂ブックセンターを設立。支店第2号(32坪)

昭和51年11月 本店を前年度取得の店舗へ移す。(23坪)

昭和52年11月 本店を28坪に増床

昭和53年6月 英進堂と加茂ブックセンターを合併し(株)英進堂となる

昭和53年8月 新津駅前通り青野ビルにブックセンター英進堂をテナント出店。支店第3号(48坪)

昭和54年6月 スーパーやませ(田家店)オープンに伴いテナント出店 支店第4号(18坪)

昭和60年11月 清水フード五泉展にテナント出店 支店第5号(13坪)

昭和62年4月 東三条駅前に出店 出店第6号(20坪)

平成12年8月 タウン403に「本の店 英進堂」オープン。英進堂ブックセンターは閉店。本店は教科書販売所となる。

2018年9月25日 本の店 英進堂がコモタウンにいつに移転。

2018年9月28日 教科書販売所は、毎週金土曜日の午後8時〜10時に「こんやのほんや」としてオープン。

次の写真は、程島にあった頃の英進堂。


次の写真は2021年1月19日撮影。コモタウンの店を閉店して、新津本町への移転を準備中の写真。