台風14号が日本に近づき、警戒をされている方も多いと思います。
また、なにがしかの被害を受けられた方には、お見舞いを申し上げます。
ここ数年の台風関連のニュースで気になること…ですが、
「さいせっきん」という言葉です。
私の年代は、ラジオブームの深夜放送世代の終盤なんですが、私は同学年の友人の中でも突出して深夜放送にはまっていました。
ですから、ラジオを聴きながら勉強をするいわゆる「ながら族」(ながら族が一発で変換できなかったことにショックを受けながら書き込みを続けますが…)。
その癖が抜けずに今でも、スポーツの(特に野球の)資料をつけながらテレビのニュースなどに耳を傾けています。
そうすると、漢字で読まないと判断できない言葉が放送の中にいかにあふれているかということに気づきます。
その中でかなり気になっているのが冒頭に書いた「さいせっきん」です。
「最接近」、「再接近」同じアクセントです。
聞いてわかりやすくするためには、「最も接近(近づく)」、「再び接近(近づく)」という言葉の選択をするほうが親切ではないかと思うのです。
実際、私がアナウンサーになった30年ほど前にはそういった言いかえをしていたと記憶しています。(だから、今の放送に違和感を抱くのでしょう)
会見・発表で配られる文章は、おそらく「最接近」と書かれていて、記者の方が原稿にその通り転記しているのだと推察します。
そして、アナウンサーたるものその通りに読まなければいけないのだとも思います。
でも、より伝わるような工夫をする技術を兼ね備えているのも「アナウンサー」だと思うのです。
アナウンサーとは、文字通り、「アナウンス(つげる)こと」が大事だと感じています。
最近は聞かなくなったのですが、「試算・試みの計算では」などという説明のためのアナウンスも耳で聞いただけでわかるような工夫で、大切なことだと思います。
ましてや、「さいせっきん」を「最も接近」と言い換えたところで時間はほとんど変わらないはずなので…。
このブログの更新は、「自らも気を付けなくてはいけない」との思いを込めて書いています。
それと同時に、官僚答弁や、政府答弁を見ていて、「もっとわかりやすい言葉で話せばいいのに、なんでわかりにくい言葉を選ぶのだろう」という疑問と重なったので書きました。
これからも、できる限りわかりやすい言葉を選んで伝えられる放送人でありたいと思います。