シーズン終盤になると、引退報道に触れる機会が多くなります。
きょう、カープの新井貴浩選手の引退が発表されました。
本当に丈夫な体で、若いころからどんなにきつい練習にも音を上げることがなかった新井選手ですから、当たり前に来シーズンもプレーするものだと思っていました。
かつてあるチームスタッフが言っていた新井選手のバロメータは「スマートに動いているときよりもどたばた動いているときの方が調子が良い」。
本人にぶつけてみると、「そうかもしれない」といったのを思い出します。
まだまだ、ドタバタと動けていると思ったのですが、世代交代の流れというのも感じ取っていたのでしょう。
それから、1500安打を超えてから2000本までの500安打を打ち切ることは、年齢も上がっていくわけですから、大変さが増していくわけです。
そのあたり、新井選手は、体力的にはまだまだ大丈夫だったのでしょう。
2000本安打を目前にしたときに話を聞くと、「若いころは、投手に意識を持って行ってましたが、近頃はキャッチャーの雰囲気を後ろに感じることができています。キャッチャーの配球であったりを感じられるんです。それが若いころと違うところですかね」と話してくれました。
不器用に変化球にくるくると空振りを繰り返した若いころ。それでもバットを愚直に振り続けていた新井選手。
まさに「練習は不可能を可能にす」を地でいった現役生活だったのだろうなぁと思います。
そんな新井選手を彼の入団から長く取材できたことは、私にとって幸せな時間でした。
そういえば、新井選手の背番号は「25」が勿論おなじみですね。
でも、カープに復帰した2015年に1年間だけ、「28」をつけました。
28番は今年お亡くなりになった衣笠祥雄さんが入団当初に着けていた番号でした。
カープの元祖鉄人はこの鉄人新井選手の引退を笑顔で見守っているのではないかとも思うのです…。
新井選手、お疲れ様でした。
ぜひとも日本シリーズ制覇で有終の美を飾ってください。