きのう、NPBが、ファインジャッジ賞を発表しました。

この賞は今シーズンから設置された賞です。

 

受賞者は、16年目の牧田匡平審判員、23年目の本田英志審判員、13年目の石山智也審判員、16年目の津川力審判員の4人でした。

 

野球のルールは実に複雑で、とあるアマチュアの審判関係者いわく、「野球のルールブックほど、読んでいて眠りに誘われるものはない」とのこと。

 

私も、きっちりと読み切るのは至難の業と感じています。

 

3時間以上に及ぶゲームの中で、さまざまな場面でアンパイアのジャッジが下されます。

 

あるプロ野球審判は言います。

「私たち審判が目立ってはいけないんです。ジャッジに疑義が生じたり、抗議を受けるときが目立ってしまう時。そんなことが無く、私たちが目立たない試合進行が一番良いのです」

 

試合を円滑に進めるためにものすごい集中力でジャッジする審判員に頭が下がります。

 

さて、NPBは、上にあげた4人を選出しましたが、私の中では、もう一人「ファインジャッジ」と感じた審判員がいます。

 

その審判員は、6年目の梅木謙一さんです。

 

昨年9月26日に一軍初出場。

今シーズンもファーム中継で訪れたナゴヤ球場などで見かけました。

 

今年の9月3日、甲子園球場でのタイガースvsベイスターズ。

6回裏ノーアウト1塁で大和選手の打球はセカンドベースよりのゴロ。
一塁走者の北條選手が打球処理をしようとしているDeNA石川選手の前を横切り、石川選手は打球を後逸しました。
二塁塁審は即座に守備妨害を適用しました。...

公認野球規則5.09b(3)には「走者が送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合」走者はアウトとなり、ボールデッドとなる。とあります。
また、6.01a(10)には、「走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、あるいは送球を故意に妨げた場合」インターフェアとなると定めています。

金本監督は抗議に行きましたが、このルールを知っていれば、抗議に出ていくこともなかったでしょうし、北條選手も妨害をしないような走塁を選択できただろうと思います。
ランナーに打球が当たらなくても守備妨害が適用される事があるんです。

 

まだ一軍出場が少ない梅木審判員ですが躊躇なく守備妨害のコールをしました。

そして、金本監督の抗議にもきちんと説明していました。

 

まだまだ出場試合数は少ない梅木審判員ですが、的確なルール適用と、解りやすいジャッジアクションにこれからの成長を期待し、個人的なファインジャッジ賞に挙げたいと思います。