もう一つ、わかりやすい例があります。
駅の前には、風呂敷を広げ、籠を置いてボロボロの服を着て座っている乞食がいます。
そして、「お金をこの中に入れてください」と誰かから恵んでもらうのを待っています。
また、家の玄関には、小さな鉢を持ち、チリンと鳴らして黙って立っているお坊さんがいます。
このお坊さんのやっている行を托鉢と言います。
乞食は、自分の生活のためにお金を恵んでもらっています。
それに対して、お坊さんの托鉢は、敢えてなるべく貧しい家を訪れます。
それは、
「あなたは人に慈悲の心がないから豊かになれないのですよ。
愛の心がないから豊かになれないのですよ」と暗に教えているのです。
「人に施しをしなさい」ということを教えることが、托鉢修行の目的でもあるのです。
営業マンも、乞食営業をするのか、托鉢営業をするのか、
これは、長い年月をかけた時に、天と地ほどの開きが出るでしょう。