友人に適当にお題をもらってぱって書いてみたやつあげてみる。


大学一回生の頃、サークルに入り損ねた僕は友達も少なく一人で講義を受けることが多かった。そんな生活が秋学期まで続き、心理学概論bの講義を一人で受けていた。三回目の講義で彼女は僕の隣に座った。今までのレジュメを持っていないのか僕の手元を眺めていた。察した僕はレジュメを渡し、それ以来彼女は二回に一回の頻度で講義に出席し、ぼくの隣に座った。「テスト勉強しようよ」その日は4限後に時計台前に集合し、彼女の家に行った。その日の夜、僕はロックグラスの中のウィスキーを舌で転がす姿を眺めていた。「飲む?」と僕の知らない世界を知っている彼女は言う。お酒になんて興味がなかったはずだが、彼女のウィスキーを飲む姿に惹かれた。そこまで酔っていたわけではないがお酒のせいにして、身体を重ねた。ロックグラスの中の氷が揺れる。別れ際の「また飲もうね」が実現することはなく、彼女は卒業していった。

今も彼女の姿を思い浮かべながら、ウィスキーを舌で転がしている。