現職都議がみる都知事選九日目～今日から都議選補欠選挙もスタート～

こんにちは、

東京都議会議員(町田市選出）の

おくざわ高広です。

今日からは、もう一つの戦いである

東京都議会議員補欠選挙がスタートします。

補欠選挙というのは、任期の途中で辞職や死亡等の理由で定数が欠けてしまった際に、

その補充をする目的で実施される選挙となります。

今回は、

北区、大田区、北多摩第三（調布・狛江）、日野の４つの選挙区で行われます。

特徴的なこととして、あくまでも補充なので、通常の定数ではなく１つの席を争うことです。

例えば、大田区では通常８議席あるところを補欠選挙では１議席しかありません。

国政選挙並みの得票が必要となることから、政党間の駆け引きもバチバチの状況になります。

そのあたりの解説は、候補者が出そろった明日行うこととして、

今日は、都知事選と都議選の違いについてお伝えします。

１．知事と議会の関係性（二元代表制）

日本の地方自治（都道府県や区市町村）では、二元代表制がしかれており、

首長（知事や区市町村長）と議会が、対等の関係で、互いにチェックしあい、提案しあい、刺激しあう関係が肝になります。

よく勘違いされがちなのですが、

国の議院内閣制のように、第一党からトップ（総理）が選ばれる制度ではない！ということを覚えておいてください。

２．知事の権限・役割

知事は、その自治体のリーダーとして、絶大な権限を有しており、政治家であり、行政の長であり、経営者であり、外交マンであり、営業マンであるといった様々な顔を持つ存在です。

✔予算案の提出（東京都の年間予算は１５兆円）

✔会計監査

✔条例案の提出

✔地方税や地方交付税交付金の用途決定

✔新たな地方税の創設

✔都庁内の人事権、任命権
✔公共施設の設置や廃止

✔産業と雇用の促進

✔政府との交渉

✔災害時や緊急時の対応

✔都市外交

など、特に予算も人口も大規模な東京都知事は、国を越えるほどの権限をもつとも言われます。

３．議会の権限・役割

議会と知事は「車の両輪」とも言われ、対等な立場にあるとされています。

ちなみに、都議会議事堂には丸い窓がありますが、

都庁本庁舎７階（知事室のある階）にも同じ高さ、同じ大きさの丸窓があり、

議会と知事は対等の関係であることを示しています。

（東京新聞　都知事選２０１６特集より引用）

では、議会の役割とは何かといえば、

✔知事から提出された予算チェック（質疑と賛否）

✔知事から提出された条例案をチェック（質疑と賛否）

✔議員提出条例を提出

に集約されていますが、知事と議会が対立し、行政がストップすることを防ぐために、

✔知事の不信任決議

を行うこともできます。

これに対し、知事は議会を解散することもできますが、

あくまでも不信任決議を出された後の対抗手段となります。

４．あるべき知事と議会の関係性

このようなことを考えれば、より良い都政のためには、知事と議会のほどよい緊張関係が必要になります。

知事の権限が強ければ強いほど、議会側のチェック機能も高めなければバランスが取れないとも言えます。

そのような点から、過去の都議会では、議会側が強くなりすぎている(いわゆる都議会のドン)という批判があり、
また、今では、都知事のイエスマンばかりで知事をチェックできていないという批判もあるところです。

あくまでも私見ですが、

✔改革期には、たとえイエスマンと批判されてもスピード重視でやり遂げる意志ある議会が必要

✔安定期には、是々非々の姿勢で、提案を重ねるバランス感覚ある議会が必要

✔停滞期には、知事への批判も含めて、厳しい視線の議会が必要

と考えています。

なお、手前味噌ですが、私は、議会のバランサーを自負しています。

是々非々の提案型をベースとしながら、行き過ぎた取組にはストップをかけ、

進めるべきことには批判を浴びても進める態度をとってきました。

それも無所属だからこそできる対応であり、これからも無所属にこだわっていく理由の一つでもあります。

５．では、都議補選には誰に投票すればいいのか

もちろん、選挙公報やHP、SNSといったところから情報を得たり、演説を聞きに行ったりして、

ご自身の納得のいく一票を投じてくださることが一番なのですが、私からも一つの考え方をお示しします。

それは、現知事との対比でみることです。