こんにちは、

東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。

○第四定例会には、ほぼ毎年、人事委員会勧告に基づく職員給与に関する条例が上程されます。今年度は、人事委員会から給与引き上げの勧告がありましたが、そもそも公務員給与とは、どのように決まるのでしょうか

○公務員給与は、地方公務員法に基づくものですが、民間企業では、会社の業績や景気動向等が反映されるのに対し、公務員の場合は市場原理で測ることができないため、人事委員会という独立機関から給与に関する勧告が行われます。その際、民間事業者の給与との比較を行うわけですが、今年の勧告は、
①有為な人材の確保という観点から、初任給を1,000円引上げ
特別給(賞与)について、年間支給月数を0.10月分(4.50月→4.60月)引上げ、勤勉手当に配分
というものでした。つまり、今年は、民間事業者よりも都庁の方が少し給与が少ないので引き上げて下さいというものです。これにより、都庁全体での人件費増加分は約75億円にのぼります。
※給与比較の対象が50人以上の企業を対象にしていることから、社会情勢を適切に反映していないといった意見や、将来にわたる安定性が考慮されていないといった意見もありますが、今後の検討課題といたします。

※実際には、人事委員会勧告→労使交渉→議会に上程という流れになります。

 



○昨年も同様に引き上げ勧告であり、賛成多数で可決されたものの、今年は、簡単に可決してよいものかと頭を悩ませております。いくつか理由はあるのですが、一番大きなことは、特別区長会が人事委員会による引き下げ勧告に従わない、という異例の決定をしたことです。確かに、月額9,641円(2.46%)の引き下げとなれば、職員の皆様の生活への影響は多大ですが、それだけ民間事業者との較差が出ているということであり、これに従わないとなれば人事委員会勧告の妥当性が疑われることになります。これについては、維新の党のやながせ都議が論点をまとめているので、リンクを貼っておきます。

http://agora-web.jp/archives/2035925.html

○また、先般、与党税制大綱が発表され、年額9,000億円以上の都の財源が国に渡ってしまう方針であることが分かりました。国による税収奪に断固反対!との立場ですが、来年度から使える予算が減ることを前提にすれば、簡単に職員給与が増加することに了承していいのかと思うところです。

○そこで、以下のポイントから都とのやり取りを行いました。(今回は、私は質疑に立たず増田都議に託す格好となりました。)


1.人事委員会勧告の妥当性について
Q.総務委員会にて質疑
 特別区のように、プラス勧告には従うが、マイナス勧告には従わないとなれば、勧告そのものの妥当性、都民からの信頼を損ねる。マイナス勧告にも従うのか!
A.都庁担当者
過去20年、プラスもマイナスも従ってきた。
☞「将来も従うのか」には答えていただけませんでしたが、過去においては人事委員会勧告に従ってきたことが明らかになり、一定程度の信頼をおけるものと判断。

2.他道府県の状況について
Q.総務委員会にて質疑
 税の偏在是正の議論では、東京だけが金持ちかのように言われており、他道府県の給与動向も確認したい。
A.都庁担当者
 国、道府県、政令市、特別区の68団体をみると、例月給の引上げ60団体、据置き6団体、引下げが大阪府と特別区の2団体。特別給においては、鳥取県のみが据置きで、それ以外の67団体は引上げ。
全国で引き上げ基調なことが明らかになり、他道府県との均衡はとれているものと判断。
 ちなみに、年収・収入に関する総合情報サイト「年収ガイド」の情報によると、東京都の平均給与は約710万円で都道府県トップ、市区町村も入れると品川区に次ぐ18位となります。なお、国家公務員の平均給与は約673万円です。


3.公務員倫理の徹底について
総務委員会にて意見
 都庁でも水道局職員の情報漏えい事件があったばかりであり、都民の一層厳しい目が向けられる状況である。各職員に置かれては、改めてそのような状況を肝に銘じて頂き、今まで以上に気持ちを引き締めて職務にあたって頂きたい。

4.有為な人材の確保について
総務委員会にて意見
 優秀な若手人材を集めるためには、仕事のやりがい、将来への展望、福利厚生など、金銭面以外の様々な要素も重要である。少子化が進み、更なる人材獲得競争が激化していくことが予想され、初任給の引上げだけでなく、都庁で働く魅力を高めていただきたい。

5.特別給における職員給与と議員給与が連動することについて
 次回、詳しく取り上げます。

○12月14日に開催された総務委員会では、上記のようなやり取りを行い、ある程度の理解と納得をしています。しかし、先述の税源移転を鑑みると、来年度予算で増加する約75億円については、総額としての人件費を抑える工夫を求めていきたいと思います。例えば、超過勤務に目を向けてみると、平成27年度の超過勤務手当は総額で年額514億円となっています。平成28年~29年にかけて、20時完全退庁や残業削減マラソンなどの取組を通じて、概ね1割程度の超過勤務削減を果たしたとのことですから、単純計算で約50億円の削減効果があったとも考えられます。来年度は、本格的なICT化の推進や総務事務センターの設置による業務効率化といった働き方改革を進め、結果的に超過勤務が削減されていくよう注視したいと思います。


○最後に、職員給与については、いかに削減するかが議論の的になることが多いのですが、都庁の仕事がいかに都民に届いていないかという証左だと思います。私の尊敬する四条畷市の東市長は、「働き方改革の本質はいかに市民にとって価値ある業務に集中し、市民に向き合える時間を作るか」と仰っています。都庁の職員さんが都民の皆さんと触れ合い、細かいところまで目が行き届くようになることで、もっと給与を上げてもいいんじゃないかという議論が出てくるような行政改革を目指すべきであると私は考えています。これは、議員給与にも言えることであり、次回は、議員給与に関して書きたいと思います。

 

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