2020年12月


セカンドライン2クール目を


なんとか、本当に必死に、やりきった。


寒さも厳しくなり、しびれはもう限界だったと思う。


何度も「もう無理だ」と言っていた。


腫瘍マーカーも少しずつ上がり、初の600台になった。




そして、12月中旬のある日


「お腹周りが苦しい。


 腹水かも…」


と言った。



胸がドキンとした。鼓動が早くなる。



「そうかなぁ」


と答えながら、実は最近気になっていたのだ。



認めたくなかった。気のせいだと思いたかった。



でも、腹水は最初はゆっくりと少しずつ


増えていった。




このころの夫は、よくパチンコへ行っていた。


コロナが怖かったが


私には止められなかった。


帰省シーズンにはテレビで


「来年、元気で会えるよう、今年は外出を控えて」


と盛んに言っていた。


夫には「いま」しかない。


家にいると、ネット検索をしまくり、


どんどんマイナス思考になっていた。


パチンコで、ただただ、


ぼーっとしていたかったのだろう。


夫が出かけている数時間は


私が思いきり泣ける時間だった。