麻薬等から創作物児童ポルノの単純所持の考察(2) | オタクフラクタル次元

麻薬等から創作物児童ポルノの単純所持の考察(2)


同じ単純所持という視点から見ると、前回で創作ポルノの単純所持はそれほど高い社会的保護法益はないことがわかりました。

麻薬等の己の健康を著しく害し、犯罪との因果関係が証明されて「社会の安全」という保護法益があるものならともかく、ポルノ本が健康を害するなど聞いたこともありません。

犯罪との因果関係は後述するとしまして、一般的な観点から言うとフィクションの世界において犯罪に触れるような表現など当然ではなかったでしょうか?


人として最大の禁忌である殺人までやってのけるホラー映画は何故保護されて、

何故(創作)児童ポルノばかりが槍玉に挙げられるのか。


両者の絶対的な差は何か。



それは「児童」というフィルターに他ならないでしょう。




―私自身も児童ポルノに関しては賛成です。

児童は親の監督の下保護される立場にあり、性に対する知識などが不十分な場合があると思います。

また恒久的に記録として残るということの重要性の危機意識の無さ。

この判断を一部の政治に関われない18歳以下の児童に課すのは酷としか言いようがありません。


では、その一方で児童性愛者はどのようにして性欲を処理するのか。

そこで登場するのが漫画・アニメといった実在しない児童を視覚的に表現する代替案です。


この流れは実に自然だと思います。

パンがダメならケーキを食べればいいじゃない? ではありませんが、



「リアルがダメなら漫画でオナればいいじゃない?」


ですね。全く違法性もない完璧な案です。発案者に拍手を送りたいくらいです。

マリー・アントワネット様からキスのご褒美くらいあって然るべきですよ。


しかしこの完璧と思われた代替案が、ある事件以降一転して犯罪の温床とまで世間に囚われてしまいます。


そう、かの有名な「宮崎勤」事件です。

こういった問題を提起する際に欠かせない事件です……。




―宮崎勤事件。

オタクバッシングの走りでもあり、オタクが表に出てしまう原因ともなった殺人事件です。

結局オタクなんて関係なく、マスコミ側がオタク系雑誌を積み上げられた本の一番上にわざわざ置いて下の本も全てオタク系であり、恣意的に報道したという事実が露見しましたが、その事実云々を置いてこの時完全にオタクの印象が決定付けられました。


オタク=ロリコン=犯罪者 です。 


参考サイト → フィギュア萌え族(仮)犯行説問題ブログ版・サブカル叩き報道を追う


などで観てもらえば解りますが、この事件以降とにかくオタク系と称される物を所有しているだけで

ゲームと同じことをしたんだろう~とか「推測」します。

やれゲームが悪いなど、アニメやポルノコミックが元凶だなど全ての責任をなすりつけるが如くでした。


単純所持しているだけで犯罪(予備軍)者扱い。 こんな考えがあるから簡単に単純所持の規制だと言い張るだろうと思います。


前置きが長くなりましたが、こういった報道も含めて単純所持を考える場合、絶対的に犯罪との因果関係の立証が必要です。

創作児童ポルノに関してはその一点だけに尽きると思います。



―では問題とするべき事象は何か挙げてみます。


・ポルノ雑誌の推移と児童への性犯罪の推移

 (児童への性犯罪は他人か親族かの2通り存在することに留意)

・創作ポルノが実物ポルノよりも影響を受け易いのか否か



この2点の結果によって単純所持規制の有無が決まるのではないでしょうか。


というわけで次回はポルノ雑誌の推移と児童への性犯罪の推移を観ていきます。


(創作)ポルノ雑誌が世に出てからの性的犯罪はどうなったのでしょうか?

またそこから見える事実や仮説は何だろうか?