加齢黄斑変性症 | 日々雑感

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レンズ好きじじいのひとり言

本日、以前から診ている加齢黄斑変性症の患者さんが来院された。加齢黄斑変性症の中でも治りの悪いRAPというもの。当医院ではルセンティスの硝子体注射を実施している。肝心の効果だが、確かにルセンティスは良い薬だ。今までは悪くなるのを防ぐ治療しかなかったが、一時的にせよ視力を改善する症例もある。ルセンティスは1ヶ月に1回注射し、最低3ヶ月は継続して注射する。1回にかかるお金が高価で、十数万円もかかる。高額医療となる。高額医療の内訳であるが、医師の技術料や眼内注射に対するリスクの保証対価はほとんどなく、全て薬代である。最低でも3回は注射が必要。従って50万円前後かかるわけである。もちろん健康保険はきくので、その3割か1割が自己負担となる。その後は症状に合わせてさらに何回か注射する。で、この病気は治るか、ということになるが、残念ながら、注射を終えた3ヶ月以降も経過を見て眼科に行かなくてはならず、必要に応じて十数万円もかかる薬を目に注射しなくてはならない。「もう眼科に来なくて良いですよ、完治しましたよ、」ということにはならない。要するに一生この病気とつきあって行かなくてはならない。悲観的なことを言うと、今の治療だと、注射にお金がたくさんかかるが、先が見えない、ということになる。お金がいつまでかかり続けるのかわからないのである。またこれは、国の眼科医療費全体を押し上げることにもなっている。このことを患者さんに説明してわかってもらうのはなかなか難しい。ただ、今できる治療としては最善の治療ということになっている。正直なところ薬代がこんなに高くてよいのか、と思ってしまう。
写真はこの方の本日の眼底写真とOCT画像。
たかはし眼科-RAP:眼底写真
たかはし眼科-OCT:RAP