いま、改めて見ると、90年代前後のテレビドラマは、とにかく暗くて救いのない作品が多かった。「もう誰も愛さない」とか「あなただけ見えない」とか・・。
そこで、中選挙区制時代の政治ドラマ「ジュニア 愛の関係」のことを思い出してしまい、探していたら、ありましたよ。。
「ジュニア 愛の関係」は、平成4年(1992年)にフジテレビ系列「木曜劇場」枠で放送されていた政治ドラマで、冷徹な政治家の息子(加藤雅也)と柔和な政治家の息子(高嶋政伸)が長野県の同一選挙区選出の二世議員(注:まだ中選挙区)として競い合う中で起こる愛憎と葛藤の物語。
田舎出身の純朴な青年だった高嶋政伸が、永田町界隈の権力闘争を重ねてダークサイドに堕ちていくというストーリーだったか。
パッパラパーだった当時の私の中でも最高傑作と評していたものの、世間的には恐ろしく視聴率が悪く、その後もビデオリリースなどはされていない。
登場人物は実在の政治家をモデルとしており、たとえば、西岡徳馬はどう見たって橋本龍太郎だし、片岡鶴太郎は渡辺美智雄(渡辺喜美の父)に見える。この作品における片岡鶴太郎は本当に素晴らしい演じっぷりだった。
このドラマには、マジもんがひとり紛れ込んでいる。
早坂茂三だ。
役柄としては金丸信のポジションで、演技なんかそっちのけなのだが、リアルがそこにある。
実際、東京タイムズ政治部記者時代に田中角栄と出会い、以後23年間も大物秘書として辣腕を振るい、泣く子も黙る大物政治評論家として名を馳せたたビッグネーム。
キャスティングの時点で文句ナシに素晴らしい。
また、大竹まこと、斉木しげる、きたろうも1年生議員をいびる陣笠代議士として出演していた。
「ジュニア・愛の関係」以降、ろくな政治ドラマがない。
人間ドラマに重きをおいた内容なので、大人の鑑賞に堪えるのだ。
政治モノをドラマにしようとすると、元・プロの目から見て、政治家の描写、選挙など政治回りで起こることすべての描写が陳腐に見えてしまう。
(各種コンテンツにおける監修もやりますよ)
今思えば、昭和モデルの政治家はとにかくパワフルにみえる。