私が生まれ育った故郷の名は藤塚

地名の通り、藤塚五柱神社には御神木を呑み込む勢いで聳え立つ荘厳な大藤が祀られてました

御神木も神社も、私達全ての住人の家屋も全て玉砕しましたが、大藤の根っこだけが生き残ってくれたのです


株元から伸びる蔓を藤棚に誘引され、何百年も生き永らえた藤塚の奔放な藤は、初めて藤棚として仕立てられる事になったのです

全てが変わった故郷、今は宅地として認められず住人はおりません、御神木も、防風林も、田畑も在りません、大藤も津波によるハードコピシングでかつての姿は在りません

それでも風に揺れる無数の花房だけは同じです


先ずは地元の言葉で「おみんつぁま」と親しみを込めて呼ばれる五柱神社に帰省の御挨拶


震災後、瓦礫の中から再利用可能な資材を集め、コンパクトになった「おみんつぁま」です

変わらないで居てくれる存在、藤の花房だけではなく・・・




「あ〜ちゃん」と「ん〜ちゃん」も、大津波でサーフィンして迷子になりましたが、瓦礫の中で見つけてもらい、元の場所に帰ることが出来たんです

子供の頃から2人には抱きついたり登ったりほっぺスリスリしたり、、、

2人を見ちゃうと50を過ぎても子供に戻っちゃう

大好きな狛犬様です


甘美としか言いようのない濃密な香りに包まれて・・・


潮風に揺れる花房に埋もれながら至福のひとときを過ごさせて頂きました


また近いうちに会いに来ます・・・

名残惜しいけど、またね



追記・・・

2009年、在りし日の藤塚五柱神社の画像を発掘したので記載します






そして、若かりし頃の私、やはり、今と同じ事を・・・


変わらないのは藤の花房と狛犬様だけでは有りませんでした、私の稚拙さも不変のようです