夢のような日々でした

21年前の8月20日、焼けるように熱い日

炎天下に投げ出されてたと言う目も開いていない子猫が2匹、片っ端から家をピンポンして頼んでも誰も引き受けてくれないのだと涙ぐむ少女達が訪ねてきました

茶虎と三毛の双子猫

とにかく死なせてしまわぬよう慎重に保護して一ヶ月弱、トイレの躾も完了、兄の茶虎は友人が探してくれた優しい方の元へ、妹の三毛は私が引き受ける事に

それが桜との出会い

今も忘れません、指で刺激して尿を促し、無事に私の掌に温かい尿を出してくれた時の安堵

目が開いた時には驚くほどの愛らしさに心臓が爆発するかと思ったよ

キトンブルーの大きな目、この世のどんな光景より綺麗でした

コバルトの泉のようなブルーはやがてエメラルドのような深く澄んだ緑へ、そして成長と共に翡翠のような優しいグリーンに落ち着きました

その7年後、故郷を失う大震災に見舞われるなんて想像もしてない私はまだ30歳でした

2024年、12月31日、16時30分

天使と過ごした至福の時間が止まりました

20年と4ヶ月

どの瞬間も可愛くて可愛くて可愛くて、本当に二十四時間365日フル稼働で可愛くて

時を止めた姿も可愛いままで、時を止めた桜と過ごした5日間もその可愛らしさは不滅でした

2025年、1月4日、10時30分

訪問火葬の葬儀屋さんを依頼し、桜が愛した庭で火葬を行う事が出来ました

私の元に降りてきてくれた天使

私の元で育ってくれた天使

幸せと温もりに満ちた20年を与えてくれた桜には感謝しかありません


桜を愛して下さった皆さん

想いを寄せて下さった皆さん

ありがとうございました


木花咲耶姫命は桜が咲く所に舞い降りるそうです、私達日本人に、限りある命の尊さと哀しさと美しさを与えた女神です

桜が咲いてくれるから私達日本人は辛く厳しい冬を凌ぐことが出来るのだと思います

春が来たら日本中であの子の名前を呼んでもらえる

誰もがあの子の名前を呼ぶ日を心待ちしながら冬を過ごしてる

あの子に与えた名前が桜で本当に良かった