心は回復しない、回復したように感じるのは削れた心に身体が馴染んだからだ

些細な事でも心は消耗する

些細で有れば消耗した事すら気づかぬ程度で支障は来さないのだろう

幾度かの経験で大きくえぐれて小さくなった心を抱えながらそれでも生きてきた

だけどもう私は動けないのかも知れない



僅かに残って居た心がついに尽きた

愛という主を失った肉体は人が住まなくなった家屋のように急速に朽ち果てる

心は愛なんだ

私はもう世界を愛しては居ない

愛せない

愛することが怖い

だから全てに目を背ける




もう私を奮い立たせてくれる愛は居ない

残ったのは愛するに値しない私だけ

愛を失った私は無価値

春の到来をこんなにも疎ましく思うなんて

冬のままで居て欲しかった

芽吹く庭にあの子は居ない

クロッカスと水仙が咲いてもあの子は居ない

喜びも感じなければ悲しみすら感じない

ひたすらの虚無

そんな3ヶ月でした

これが本音です



それでもきっとこの虚無にも身体は適応しいつか感情が溢れ出すのでしょうか

そうなるかならないかは私が心の底からそれを願うかどうかだ






春一番に咲く桜、暖地桜桃の花びらが風に飛ばされ始めた

毎年あの子と眺めた何より愛しい光景のはずだったのに


ごめんね