

望月が過ぎ、十六夜の日
輝夜姫が月に還るように、ポールも散華の時を迎えました
皆に見守られながら早々と散り急ぐポールを眺めてると脳裏をモーツァルトのピアノ協奏曲21番が自然に巡ります
昭和世代しか御存じないかも知れません
この曲の愛称は『短くも美しく燃え』
短くないけど美しく燃えるドルトムント


私に取ってのドルトムントは『漢』
写真では伝わりませんが濃緑色でバリッと硬い照葉と別珍のように深い赤のコントラストから昭和な雰囲気が漂います
守りたい薔薇ではなく、守って欲しくなる薔薇
ダンディでハンサムで、それでいて生真面目で武骨・・・
そんなドルトムントがポールを見送ります
超絶お寝坊さんのニュードーンさんも駆けつけました


ニュードーン、彼女は『妖婦』
艶めかしく匂う煽情の柔肌・・・
彼女を眺めてると湯上がりのアフロディーテが浮かんできます


ドルトムントとニュードーンの狭間にポールが居ます
ある方がポールは私と良く似ていると仰ってました、言われるまで気づきませんでしたが、理想の男性像を重ねたドルトムントと理想の女性像を重ねたニュードーンに見守られながらポールは育ってます
無意識に、自身を重ねたポールをこのように配置したのかも知れません

ポールが見せてくれた泡沫のエリシオンが土へ帰依します・・・
私のファーストローズ
最初で最愛の薔薇、ポールズヒマラヤンムスクランブラー
必ず貴方は私の元に舞い戻る
まるで盆の度に訪れてくれる魂たちのように
変わらぬ輝きで私を魅了する
ラ・ヴィ・アン・ポール





