指折り数え、ロクロクビになりそうなほど首を長くして待ち望んだはずの輝きの中に居るのに・・・


留まることを知らない世界

瞬く間に乾いてゆくオオデマリの散華は淡雪のよう


庭の本来の主たちも泡沫の生を勤しむ




食べて食べられて

食べるって不思議、私の命は誰のものなのか分からなくなる、星の数ほどの命を頂きながら構築され存続する私と言う不可解


衣食住の全てをこの庭に委ねる彼らが愛しい


バタフライエフェクト、この羽ばたきが美しく豊かな未来を呼び醒ましますように・・・




桜さんは祈らない


祈る隙もないほど全身全霊で『今』を感じてるからだ




ドルトムントが燃え始めた


桜さん・・・




桜さん・・・

僕、咲いてますよ・・・

桜さん・・・

僕、真っ赤に咲き誇ってますよ・・・


桜さんはグラスに夢中・・・

バリッと硬い紅蓮のドルトムントに対し、日を透かすほどに薄く柔らかなハマナスは諦観の笑みを浮かべる貴婦人のよう


夕映えの女王


狂おしいほどに愛しすぎる日々

私を置き去りにして足早に過ぎ去る日々

だけど、この愛しさたちが思い出となった世界でも、私はきっと私のままで、新たな愛しさを見つけてしまうだろう・・・

私の小さな器に愛しさが降りしきる




覆水盆に返らず

だけど、私の小さな器からはきっと溢れない