春が巡りきる頃には見たくなくると分かって居るはずなのに、空気が澄みわたると恋しくなって、作ってしまう



金属的な質感や重厚な色彩を積極的に取り込む、肌寒さと乾燥に影響された私の感覚の変容が如実に表れてる




こちらは3年目のサンキライ、1年目はそのままで、2年目は艶出しコーティング、そして3年目、すっかり色褪せた実を鮮やかに染めた

1つ1つのパーツをワイヤリング&テーピングして有るリースだからこそ、こうして何度でもパーツを再利用できる



ハロウィンを意識したリースとミニブーケ、ノイバラの鮮やかさに負けないよう、ドライの紫陽花はブラック&ゴールドでパンチを効かせた



黄昏の薔薇

燃えるようなノイバラの実を背景に、鈍いゴールドを吹き付けたピンクの薔薇とメタリックゴールドを塗ったイヌツゲの葉




落ち葉やドライフラワー、余った造花の葉なども自由に染めて寄せたリース

そして・・・



私のインスタグラムを観てくれてる写真家さんからの依頼を受けて手掛けたブーケ

野原を駆け回り、様々なグラスの穂を摘んで乾かし、染め上げ、ドライフラワーやアーティフィシャルフラワーと組んで産まれた私の処女作

“隔絶された時空に佇む花束、忘却の暗幕に覆われて居た存在に、ふと光りが射した瞬間”

そんな漠然としたテーマを軸に造り出しました



余った素材でリースとミニブーケ


記憶の奥底に潜む、様々な温もりと色彩を花を用いて具現化させてみました

過去の記憶が褪せたように感じるのは、実は記憶が褪せたのではなく、次々とインプットされる新たな情報の上塗りによる作用だと解釈し、記憶の上塗りをカラーリングで表現してみました

その為、あえて真っ赤や真っ黄色で“ドギツイ”原色の造花をチョイスし、その鮮やかさを様々な色で何度も何度も重ね塗りして奥に奥に沈めながら、セピアの雰囲気を作ってみたのです

完成するまで、とてもとても楽しい日々を過ごす事が出来ました

この場を借りて、改めて御礼を述べさせて下さい

私を指名して下さって、本当に有り難うございました



紫檬