麗らかな春の陽射しが再びこの身を照らすまで・・・


季節は不思議だ、夏の輝きの中では決して美しいと感じることが出来ない色彩や風合いに惹かれだす



私の中にも季節が巡る



長い冬を共に過ごす魂の抜けた乾いた造形、春と夏を共に過ごした生命の脱け殻に永劫の色彩を乗せる・・・


どれがドライフラワーで、どれがアーティフィシャルフラワー(造花)なのか、その境界線を霞めてくれる永劫の色彩

このリースはベースにワイヤーを使用したので、自由に形を変える事が出来る



こんな風に、円形にも三日月状にも、真っ直ぐに延ばしてテーブルセンターとしても楽しめる



長い冬を共に過ごしてくれるリースだから、飽きやすい私への対応力を与えて生み出した

でも、気に入ってくれる誰かに巡り会えたら、このリースはその誰かに寄り添う、私は私が生み出した作品を気に入って貰えると嬉しくなって押し付けてしまう悪癖が有る

そんな悪癖が、新たに生み出したリース・・・


実物大のカサブランカの造花を7輪使用した直径40センチ超えの大きなリース


葉モノに実モノ、薔薇やアルストロメリアもたっぷり混ぜ込みながら、友人に押し付ける事を前提に生み出したリース

百合を愛する友人に、毎年百合のアレンジやブーケを贈って居たけど、今年はリースを贈ろうと思い付き、色んな百合のアーティフィシャルフラワーを探したけれど良いと思えるモノが見付からなかった

高級でも安価でも、百合の造花はどれも“いかにも造花”って感じが如実で受け付けない

だったら逆に、とことん人工的にしてしまおうとメタル塗装を施した


一癖も二癖も有る妖しさ満載のリース

人一倍どころか、人の域を超えた癖を持つ私に四半世紀も付き合ってくれてる彼女なら、きっと気に入ってくれるはず・・・

肌寒い夜も、誰かに想いを馳せる事で心が暖まる

麗らかな春の陽射しが再びこの身を照らすまで、心だけは凍てつかせずに過ごしたい・・・


紫檬