一番花が花びらを手放した

余りにもあっけなく、余りにも潔く

芍薬と牡丹の散るさまを“崩れる”と表現するらしい

でも、私には“脱ぎ捨てる”ように見える


私はそれを拾い集めて未練がましく並べる


昨年は食べた、お吸い物に散らして頂いた、ほろ苦くて美味とは言い難い味だったけど、残さず身体に取り入れた、芍薬は昔から漢方薬として扱われて来たから食べても問題はない


どんな姿も愛しい


福良雀のように飛び立たんとする姿も、気高く咲き誇る姿も

そして、潔く崩れゆく姿も・・・


百花の王とはされない花、牡丹と比べられ“花相”と呼ばれて来た花、百花の王は牡丹なんだ、芍薬は花の美しさよりも生薬として育てられて来た歴史の方が長いかも知れない

それでも、私の庭に置いては美神だ、花王の座は素直に牡丹に譲ろう、歴史がどうで有ろうと世間がどうで有ろうと、私の庭での貴方は美神だ


ニゲラもありがとね、君のお陰で“間抜け”にならずに居られるよ

因みに芍薬と牡丹、どちらもピオニー、両者の違いを重んじながら愛でる国は少ないらしいです

最近はハイブリッド種が増える一方なので、ますます見分けが困難になりますね、だから、西洋人はどちらもピオニー

だけど、私達は違いを探して見極めようとする

愛しかた、接しかた、認知のしかた、そこにも国民性が出るんですね



御覧頂き有り難うございます

紫檬&芍薬