
愛と死と、そして美
私達に寿命、つまり、死をもたらしたと伝わる二柱の恋
始め、天孫には二人の嫁が待ち受けて居た、一人は天孫の子孫に永遠の命を与えるイワナガヒメ、もう一人は一目で天孫の心を撃ち抜いた美貌のコノハナサクヤヒメ
天孫が二人を同時に娶れば、私達は永遠の命と至上の美を与えられた存在として神々と同等に暮らせたのだとか
でも、天孫は言いつけに逆らい、コノハナサクヤヒメだけを選び、以降、生まれる子供達の命は儚いものになった・・・
赤い鳥居はコノハナサクヤヒメを奉る社、淡い色の花を咲かせる桜の巨木に囲まれながら、ひときわ鮮やかで濃い色の花を咲かせる枝垂桜が華やかでした
ここは火の神を筆頭に八百万の神々が祀られた愛宕神社
境内に繁る一木一草の全てが御神木とされ、敬われる聖域です
樹齢300年を超える江戸彼岸桜が広瀬川を見守ってます、やや低めの山ですが、城下町を見張らすには絶好の場所
桜の季節には富士の高みからコノハナサクヤヒメが舞い降りると伝わりますが、何百年もの歳月を経た巨木に囲まれると、畏怖の念にかられ、神と呼ばれる存在の気配を感じてしまうのが不思議で、また、それがなぜか心地よく清々しいです
300年以上も生きるなんてスゴいなぁ、と感激してると、その横には500年以上も存在してる杉や檜が居たりして、時や死と言う概念が崩壊して行きます
理論上、寿命がないとされる江戸彼岸桜や山桜、そこに私はコノハナサクヤヒメの気配を感じてしまいます
そして、私達と寿命が変わらない染井吉野に親しみを感じ、やはり、愛さずには居られません
染井吉野はコノハナサクヤヒメから私達へ捧げられた儚さと美しさの象徴のように感じます
聖なる空間と、そこに存在する全てが放つ荘厳な凄みに度肝を抜かれ、これが神気に障ると言われる事なのかと腑抜けになり、半ば逃げ出すように山を降り、ヘロヘロと辿り着いた人混みの喧騒と濁った空気を吸い込んで、ホッと胸をなでおろす、やっぱり私は庶民だな、って(笑)
ほら、さっき、御神木達と見おろしていた場所、限られた時間を過ごす存在が犇めき合う場所、生きる場所
やっぱり染井吉野は街なかが似合う、常世の国の研ぎ澄まされた美ではない、浮き世のあわれと美しさ
永劫の命を断ってしまった私達の起源から贈られた、私達の桜
私達の象徴、染井吉野
この日記は昨日撮った景色からの更新、今日は風が強く、吹き荒れた風が花びらを散らしたと思います
逢いに行って良かった、これで春のたけなわに心置きなく浸れます
最後に聖域に咲いていたスミレと椿を
やっぱり撮っちゃうのよね
今日も御覧になって下さり有り難うございます
ではでは
( ´∀`)/~~
ごきげんよう♪