ロボットには売れない ~IT時代の伝え方 | 日経ほぼ朝コメント

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おはようございます。クローバー

 

 

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(全文掲載します)

 

――ヒットする商品に変化は見られますか。

 

「商品は時代の変化を映しだします。例えば私が学生の頃は水も空気も無料で、お店で水を買って飲む発想はなかった。現在はジャパネットたかたもミネラルウオーター事業を展開していますし、空気清浄機を備える家庭も多い。世の中の変化に伴い、消費も変化し続けています。気候変動が世界的な課題となるなか、これからはESG(環境・社会・企業統治)を意識した商品でなければ支持されるのが難しくなるでしょう」

 

 

「忘れてはいけないこともあります。『この商品を買ってうれしかった』『食べてみておいしかった』といった、お客様の感情に訴えることが重要です。お客様に喜んでもらうことで企業は売り上げと利益を得ています。このことを忘れてしまうと、ビジネスはうまくいきません。私は2015年にジャパネットたかたの経営から退きました。現経営陣はこうした考えを継承してくれており、私の現役時代よりも売上高を大きく伸ばしています」

 

 

 

――ジャパネットたかたのテレビ通販番組から、多くのヒット商品が生まれました。

 

「例えば『レイコップ』の掃除機は布団クリーナーという新しい発想を伝えることで、200万台以上を販売しました。既存の商品にもヒットの可能性はたくさんあります。ボイスレコーダーは会議で使われることが多く、ビジネス用途という固定概念があった。しかし、シニアの方が寝るときの枕元などに置いておけば、ノート代わりに声でメモを残すことができる。メーカーは自社の商品の可能性を見落としているかもしれません。提案力を磨いていくことで、既存の市場を大きくすることはできます

 

 

「価格は高いか安いかが注目されがちですが、私は支払い価値を重視してきました。視聴者からは『高田さんのテンションの高い声につられて衝動買いしました』とよく言われました。けれども『購入した価格以上の価値を感じられた。衝動買いして良かった』と喜ぶ方も多かった。お客様が払う価格に見合った価値があるかどうかが、小売業に問われているのではないでしょうか」

 

 

 

――最近はインフルエンサーなど身近に感じる人が薦める商品を買いたいという消費者も増えています。消費の変化をどう見ますか。

 

「誰から商品を買うのかを、日本の消費者は大事にします。だからこそ、自分の言葉が消費者と共有できているかが重要です。テレビ通販の司会では、カメラのレンズに向かって話をしませんでした。意識したのは、テレビの前にいる視聴者です。ラジオショッピングではマイクに向かって話をするのではなく、ラジオを聴いている聴取者の姿を想像しながら、語りかけました。コミュニケーションは、人間にとって最も大事な感性です。人工知能(AI)が進化しても、人と人をつなぐコミュニケーションはなくなりません」

 

「チラシには映像以上の表現の力があります。ピカソやシャガールの絵画に感動するように、チラシのキャッチコピーで商品の夢を伝えることもできます

 

 

 

――企業が消費者にメッセージを伝えるのが難しくなっています。テレビ通販ではどのようなことを心がけて商品を紹介していたのですか。

 

「商品を伝える人間が、その商品を熟知できているかが重要です。5割しか知らない売り手は、その商品の5割以下の価値しか伝えられません。インプットの量を精度高く、どれぐらい増やせるかがアウトプットの質と量を左右します」

 

「手の動きや顔の表情など、非言語のコミュニケーションも重要です。現在はコンピューターで文章を読み上げることができますが、情感が薄いロボット言葉ですよね。『愛している』という言葉を発するにも、情感がこもっているから相手に伝わります。非言語の表現はAIでは難しく、これからもコミュニケーションの重要な要素になるでしょう」

 

「消費者は、企業が商品の魅力を本気で伝えようとしているのか、自分たちのことを理解しているのかを厳しく見ています。企業と商品の思いが伝わってこそ、消費者からの注文につながるのです。テレビ通販を始める前は、ラジオで通販番組を放送していました。ラジオでは商品の形は見えません。それでも30万円の商品が何千台も売れました。お客様は心の目で商品を見ているのです」

 

 

――最近はインターネットで実況しながら販売するライブコマースが世界で注目されています。特に中国では大きな市場に育っています。電子商取引(EC)の"ジャパネット化"とも言えます。

 

「ジャパネットたかたも以前、インターネットで実況しながら販売したことがあります。スマートフォンが普及するなど、IT(情報技術)が進化するなかでライブコマースが生まれたと見ています。日本でもライブコマースは定着していきますが、中国ほどの盛り上がりはないかもしれません。日本では慎重に商品を確かめ、信頼できる小売業から買いたい消費者が多いからです。返品へのきめ細かい対応など、日本流の高品質なアフターケアもライブコマースの普及には必要になりそうです」

 

 

 

自らテレビ通販分野を

切り開いてきた方の言葉には

たくさんのヒントが詰まっていますね。

 

 

それでもAIがこういった力を

備える日は来るのでしょうか。。。

 

 

 

 

 

「人生の課題に取り組むとき、

一人ではありません。

共に力を合わせれば、

答えが見えてきます」

 

という相互的思想

 

 

情感に訴える実体験を

伴なった記憶は、

一方通行の情報が氾濫する時代に、

より大切になってきている

 

(2016.4.19)

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございます。おすましペガサス