易者の高橋南北です。

人間関係に悩んでいる
人を信用したのに裏切られる
仲が良いと思っていた人から急に怒られて連絡をとってもらえなくなった
相手との距離感の取り方がわからない

 

これらの質問は私が良く受ける人間関係の悩みの一部です。

良い人間関係や楽しい友達付き合いというと、なんとなく自分らしく生きていたら自然とできていくようなイメージがありますが、それは漫画やドラマの見過ぎかもしれません。

ありのままの自分を受け入れて欲しい」という願望は時に自分の勝手さを許してもらいたい心根の裏返しとも言えます。

人間関係は自然に良くなるということばかりではないですし、案外絶妙なバランスの上で成り立っているものです。

すごく仲が良いと思っている友人のことも、次の日にはむかつくこともありますし、信頼していた仕事の仲間のことがある日突然信じられなくなり邪魔に思うこともあります。

このように人間の心はコロコロと変わるものなのです。

それを理解した上で、良い人間関係を構築するにはどうすれば良いのでしょうか。

今回は哲学者であり易者でもある私が、人間関係を良くするための考え方をお話ししていきます。

一つは人間関係においての『思い込み』を外すことです。

思い込みとは多岐に渡りますが例えば

みんなと同じものを好きでないといけない
みんなの意見に賛同しないといけない
みんなと同じ髪型でないといけない
みんなと同調しないといけない

 

などといったものから

見た目で貧乏そう・金持ちそうと判断する
優しそうな相手だから多少のことなら許してくれそうと思う
第一印象で信用できそうだと思う

 

など、相手の印象を勝手に決めつけることも含まれます。

相手の第一印象は相手の本質ではない


私も以前は人付き合いで失敗したことがいくつかあります。
第一印象はすごく良い雰囲気だったので、なんとなく良い人なんだろうなと思うような人でも、結果としてはとんだ食わせ物だったことは何度もあります。

それは、「きっとこの人は良い人であろう」という先入観で、相手のことを勝手に判断していたからに他なりません。

例えばすごく調子の良い雰囲気で腰が低くて人当たりがいい人がいました。
ああ、きっといろんな人に気に入られてきたんだろうな」という印象をもった反面、相手の懐に入り込んで油断させてから本性を見せる危うさを感じた私は、直感的にこの人とは距離を置こうと思いました。

彼はその人当たりの良さから仕事や縁が舞い込み、彼の友人の会社の下請けとして独立することになりました。

しかしやはり、実際に彼はとんだ食わせ物で、彼の友人の会社の優秀な人材を勝手に引き抜いたり取引先には契約前に良いことを言っておいて実際にはその通りにしなかったりして目先の利益だけを追うような行動ばかり行い、どんどん信用を失っていきました。

挙句には脱税の容疑で捕まることとなりました。

私は、人当たりの良さそうな第一印象は感じたものの、だからといって彼を信用はしなかったおかげで、私自身はなんの被害も受けることはありませんでしたが、私の知人の中には彼に迷惑を被った人も何人かいました。

このように、最初の印象と最終的な結果が違う、という人はこれまでに何人も見てきたものです。

反対に、見た目は怖そうで取っ付きにくそうな第一印象の人でも、付き合って見ると無骨で愚直で、繊細で優しく本当に信用できる人だった、というような例もいくつかあります。

ここで私が言いたいのは、他人のことを勝手に判断しているのは常に自分であるということです。


ですから、もしこれまで人間関係において何か問題があったりうまくいかなかった経験があるとしたら、それは相手に対して、私たちが勝手に思い込んで相手のことを判断していたからだと言えるわけです。

 

原因の探究


では、一体どうすればいいのでしょうか?
私たちは簡単に相手を信用してはいけないということなのでしょうか?

そうではありません。

最初から相手を信用しないのではなく、物事に対して感情を入れないということが大事なのです。

これは客観的思考弁証法と呼ばれる手法です。

この考え方の特徴は、物事を判断する時に『好き・嫌い』などの自分の評価を一旦全て外すということです。

自分のフィルターを通した評価で見るのではなく、その物事の実在そのものを見ていくのです。

つまり、相手を見る場合は

「この人は怖そうな人だな」
「昔いじめられた人に雰囲気が似てるから苦手かも」
「昔好きだった人に似てるからタイプだ」
「すごく頭が良さそうだからきっといい大学を出ているはず」

 

といった要素を全て無くすということです

私たち人間は無意識的な思い込みを元に行動する生物なので最初は難しいですが、思考や判断をしているのは自分自身なので、コントロールすることは可能なのです。

分断が叫ばれる現代ですが、「あそこの国の人だからきっといい加減だ」「あそこのエリア出身の人だからきっと育ちが良くない」というような人の見方をすると、自分もそのように見られるものです。

物事の善悪や良し悪しで判断する思い込みを見直すこと。
これが人間関係を良くしていく第一の前提条件になります。

 

思い込みの原因

ではその思い込みはなぜ発生するのでしょうか。

先ほども述べましたが、我々人間は無意識的な思い込みで行動をしてしまう生物です。

その理由は人間の基本的な性能にあります。

人間の脳は楽をしようとする特徴があります。我々が思考をする時、何が正解かを判断することは非常に難しくエネルギーを使います。
にもかかわらず、出した判断や結論が正解であるとは限りませんよね。

これは脳にとってかなりの負担になるのです。

なるべく判断を簡略化して、脳の負担を減らしたい、楽したいという無意識的な欲求が、我々人間の脳にはあるのです。

だから、その判断を簡略化するために『思い込み』という判断基準を使おうとするのです。

何かを判断する時、他人や法則に決めてもらった方が、自分で考えずに済むから楽ですよね。人に騙されやすい人や、詐欺に合う人は特にこの傾向が強いのです。

優秀なセールスマンや詐欺師に共通する手法として『相手に考えさせない』というものがあります。言い換えると『あなたの代わりに考えてあげている』という安心感を相手に植え付けるのです。


ですから我々は、大変だったとしても結局は自分の頭で判断することが重要なのです。

それができるようになると判断力も向上し、人付き合いや人生の選択を、失敗しにくくなっていくでしょう。

しかしそうやって思考力や判断力が上がってきた時に、また問題が生じることもあります。

何度も述べているように、我々人間は無意識的に思い込みを使う生き物ですから、自身の思考力が上がり頭が良くなったと自覚するようになると、またそれが偏った考え方になることもあります。

自動で善なる判断ができたら楽ですから、たくさん経験して勉強した自分の判断力を信じたいものですが、そこに甘んじることなく常に経験と勉強を積み重ねないといけないものなのです。

無意識・無判断で良い選択を継続させることができたら素晴らしいですが、人間の脳は無意識に悪いことに対しても自動化してしまう場合があるのです。

達人でも思い込みは捨てられない


面白い逸話があるのでご紹介します。
ご存知の方もいるかもしれませんが、『なんでも鑑定団』という番組に出ていた中島誠之助さんという古物の鑑定士さんがおられます。

 

画像
 


彼は生粋の古物商家系でサラブレッドで幼い頃から骨董品に囲まれて育ってきた方で、一般人と比較したら比較対象にならないほどの古物に対する知識を持っておられます。

しかし、そんな彼でも「今でも贋作には騙される」とおっしゃっています。
物事を見る時に絶対はない。絶対は自惚れ。」という言葉もあります。
中島さんがおっしゃるには、「本物を作る人より偽物を作る方が能力が高い」ということです。

これは人間関係においても面白い言い換えができます。

本当に善な人間よりも、偽善な人の方が良い人そうに見える、とも言えますね。相手を疑ったり信用しないというわけではなく、相手の本質を見抜く力を養う気持ちが大事です。

これから社会に出る若い人や、職場の環境が変わったり結婚で生活環境が変わる人など、あらゆる場面でこういった哲学的思考は役に立ちますしあなたを助けることになります。

このメディアでは今後もこういったコンテンツをアップしていくので、ぜひ次回もお楽しみにしていてください。

 

お悩み相談、無料鑑定の応募は下記のLINEアカウントにて受け付けております↓

画像クリックで追加できます。