被害者と加害者 | 女流棋士 高橋和の「将棋の森@kichijoji」

被害者と加害者

今日は私の独り言と思ってみてやってくださいまし。



私は4歳のときに交通事故に遭いました。


トラックにひかれて、左足は本当に3センチくらいの皮で繋がっているだけで


プランプランになってて。。。。


加害者の方は突然の出来事に焦って、私を抱き上げて「大丈夫か!」って。


本当はやっちゃいけないんですって。自然なことだと思うけれど。。。


運送会社の人で、社長さんもその人もきちんと対応してくれたのは


不幸中の幸いかもしれません。 私の両親にしてみれば、やっぱり


加害者であるということは間違いなく、どんなに私が幼く、落ち度があったとしても


許さない、許したくないって気持ちなんだろうけれど。。。


事故に遭ってから何年か経って、藤沢の喫茶店で加害者の方にお会いして


「ごめんね」と言ってもらったことは今でも覚えています。でもいくら思い出そうとしても


顔は浮かんできません。


きっと30代くらいだったように思う。


何にもその人のことは知らないけれど、おそらくは結婚していて、もしかしたら


私と同じくらいの子供がいたかもしれない。


いつもと同じように仕事をしていたら突然、加害者になってしまって。。。。


もうすぐあれから30年。


今思うことは、加害者の方も被害者なんだよなって思うの。


誰も交通事故なんてしたくはない。でも加害者になってしまって、


運転がお仕事なのに、きっと運転するのも怖くなってしまっただろう、と。


幼い子供をひいてしまったというトラウマは一生背負うことになり、


もし自分の子供だったらって思ったら、苦しいだろうな。


坊の寝姿を見て、小さな小さな足をみて、この足が無残な姿になったら・・・・と


想像するだけで恐ろしい。


私の母は、私の傷跡を見るたびにいまだ後悔と罪の意識に苛まれている。


この間、初めて面と向かって「ごめんなさい」って言われちゃった。


こんな時、私はどんな顔をしたらいいのかな。。。



きっとみんな被害者なんだよね。


私は事故に遭ってしまったことは仕方ないって思っている。


だって、もう変えられない事実だから。


健常な左足が欲しいとは思わない。


だって、私はこの足で歩いてきたんだから、これからもこの足じゃなきゃ


意味がないのよ。


幸せだよ、ほんと。



・・・ついでに聞いてもらえるかしら。


私にはとても可愛がってくれる伯母さんがいるの。


当時の母の日記にも広島に住む(当時)義姉が涙ながらになんでも


助けになるからって言ってくれたって。


去年会った時、「あの時は本当にビックリした。和の足が治るためなら


全財産はたいても構わないって思ったわ」って。


たかが姪っ子の私のために。。。


嬉しくて、ありがたくて、言葉が出なかった。


私はどうやって恩返しをしていったらよいのだろう。


まずは、坊をしっかりと育てることかな。