【あるマジシャンからの回答】

結論から言いますと、わたしは出しません。

おそらくあなたはマジシャンという初めて遭遇する人種と、何かコミュニケーションをとりたかったのでしょう。

あなたはその時、頭の中にあった

「マジシャン=ハトを出す人」

というイメージからそのような質問をしてしまったのでしょうが、それは

「ミュージシャン=ピアノが弾ける人」

というのと同じレベルの誤解です。

ピアノが弾けなくても人々を感動させられるミュージシャンはたくさんいますよね?
マジシャンも同じです。

テレビで見たマジシャンがやっていたからといって、あなたの目の前にいる人間が同じ魔法を起こせるとは限らないですし、出来ると答えてくれたところでその仕組みをあなたに教えてくれるわけでもありません。

マジシャンは「出来ません」とは素直に言えない人種なので、そこはあなたが質問する前に察してもらえたらどれだけ多くのマジシャンが救われるかわかりません。

なんかネガティブな空気にしてしまって、ごめんなさいね。

お詫びにお得なアドバイスをお教えします。
もしあなたがマジシャンに遭遇して何か質問をしたくなったら代わりにこう聞くのです、

「あなたの得意な魔法は何ですか?」と。

そうすれば、目の前のマジシャンは目を輝かせて質問に答えてくれるでしょう。人によってはその場でその魔法を見せてくれるかもしれません。
そうなったらラッキーですね。

ただし、中にはその質問をするとあなたもマジック好きと誤解されて、その後一時間以上も手品を見せられ続けるという被害にあう可能性もありますので注意しましょう。

もしもそうなってしまった場合には「ハトは出せないんですか?」と聞いて相手のテンションを落とすことを許可いたします。


ちなみにわたしは耳もでっかくなりませんし、口からトランプも出しませんし、道ゆく人に看板からハンバーガーを取り出すこともありません。
予めご了承ください。