20代の頃、友達の結婚式に参加して





「ヒロタカは仕事何してるの?」




って同級生に聞かれて




「今もバンドやってるんだ」




って自信満々に答えたら、全員にバカにされた。




「まだそんな事いってんの?(笑)




ちゃんと働いて地に足つけろよ(笑)」




俺は悔しかったけど、そもそもそいつらは同級生なだけで、友達じゃないんだって事に気が付いた。




でも俺は悔しくて恥ずかしくて、その場から逃げ出したい気持ちになったんだ。




で、酔っ払ってしまって、記憶がなくなって、起きたら顔がボコボコになってた。




若い頃の俺は、誰かにドラム褒められると、それを聞いてた違う誰かが




「高橋の良いのはドラムじゃなくて、顔でしょ?(笑)」




って、何度も何度も何度もナメられて、そいつらに殺意に近い感情があったから、ボコボコになった顔を見ると、何だか嬉しかったのを覚えてる。




顔じゃなく、ドラムと向き合ってもらえるなって思ったんだと思う。




俺はどうしてもロックでありたかったから、顔立ちがハッキリしてる分、人の何倍も頑張らないと、意地を張らないとロックが成立しなかったし、ロックドラマーとして認めてもらいたかった。




毎日夢中になって体鍛えて、誰も真似できない到達したことがない異常な自分でいたくて、それでもみんな顔のことばかり。




ドラムがその辺に居た奴らより少しだけ上手いことなんて知ってる。




その先の話がしたかった。




そして俺は突然、長髪から短髪の金髪に変えたんだ。




俺なりに「男らしく」って考えた結果なんだろうね。




今考えるとアホだと思うことばかりでも、当時の俺にはこれより大切な事はなかった。




男らしく爆音でドラムを叩きたい。




その一心だった。




続きはまたいつか。








んじゃまた。